爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

リチウム資源は大丈夫なのか

蓄電池の需要はさらに増大する一方のようですが、今のところはリチウムイオン電池が主流でありその原料としてリチウム資源が不可欠です。

その供給は本当に大丈夫なのか、それについての記事が東洋経済オンラインに出ていました。

news.yahoo.co.jp答えているのは、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の大久保聡さんと言う方です。

 

リチウムの年間生産量は2017年に30万トン、それから40万トン、45万トンと順調に拡大しています。

地球全体での埋蔵量は1億1100万トンと非常に多いようです。

埋蔵量が多い国はチリ、オーストラリア、中国、アルゼンチン。

現在の生産量が多い国はオーストラリア、チリといったところです。

しかし、鉱石からの精製量が多いのは中国で、オーストラリアで採掘された鉱石を中国に運んで精製する量が多く化合物としての炭酸リチウムについてみれば中国依存度が6割近くになります。

 

リチウム鉱石に含まれるリチウムはせいぜい6%、つまりほとんどは捨てるゴミを運んでいることになります。

これは、精製過程での廃棄物として硫酸ナトリウムや大量の残渣が発生するのですが、それの捨て場所が無い国が多いため、中国でやってしまうということになっているからです。

「中国の強み」は「環境規制の緩さ」だという、他にもいくらでもある話の一つのようです。

 

さらに、現在世界中を席巻している「脱炭素」の呪縛はリチウム鉱石の採掘から運搬、精製まで捉えるようになります。

大型重機の電動化(??)や使用電力の脱炭素化が必要となります。

 

どうやら、資源量は十分にあるもののそこから工業材料とする過程に非常に大きな問題がありそうです。

 

いまだにこれに代わる蓄電池材料の有望なものが出てこない以上、エネルギーの未来は非常に厳しいものとなるでしょう。