爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

電力供給の不安が続き、原発再稼働や蓄電池による再エネ供給などが話題に上る。

連日のように電力供給不足の危険性について報道され、「クーラーはつけても」他の節電をと繰り返されています。

 

テレビのワイドショーでもその対処について色々と語られていました。

原発再稼働もやむなしとする人もいれば、それは絶対にダメという人も。

 

その中で、テレビ局出身の論客が自信たっぷりに「蓄電池を大幅に増強して再エネの電力を有効利用するシステムを」とのお言葉。

 

確かにそれが本当に可能ならば一番良い解決法のように見えます。

 

ただし、蓄電池の需要は各方面で非常に増加しており、EV(電気自動車)でも世界中で莫大な需要が発生しています。

それに電力界の需要も増大した場合、供給が本当に大丈夫なのか。

 

現在はリチウムなどのレアメタルと言われる資源のほとんどが中国依存の度合が強く、供給国への依存が問題となっています。

他国にも資源はあるようですが、その開発は進んでおらずいつになったら供給可能となるかも不明のようです。

 

そのような中国を「危険視」するという、NATOの首脳会議。

いったい、レアメタルをどこから買おうというのでしょうか。

 

バッテリーの供給は量が増えればコストも下がるという、例の「スケールメリット」を無邪気にも信じる人もいますが、何度も書いているように、資源供給の不安がある場合はスケールメリットどころかまったく逆でしょう。

大量生産を目指すほど供給が追い付かずコストが跳ね上がることになるでしょう。

 

リチウムイオンバッテリーに代わる新原理の電池をという声もあります。

しかし、候補がいくつも具体的にあってもそれが実用の域に達するかどうかで大変な苦労をするものなのに、その候補すら名前も挙がっていないのではどうしようもないでしょう。

 

というわけで、夢のまた夢でした。

せいぜい節電に努め、足らない分は原発再稼働もやむなしでしょうか。