爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

雪国の思い出

ここ数年は暖冬傾向であまり大雪もなかったようですが、今年は久しぶりに早期から大雪の被害が出ています。

 

私も10年前に3年間だけですが、石川県に住み慣れない雪に苦労させられました。

雪国に暮らしている方から見れば、「甘い」と言われそうですが、そんなものです。

その思い出など少し書き留めておきます。

 

父親の代から転勤族、自分も転勤相次ぐ職場でしたが、あちこち行ったようでも雪の多い地方には住んだことはありませんでした。

ところが、自らの職歴の最後になって、会社からの甘言に乗せられて石川県に出向することになってしまいました。

それがどれほど大変なことかも気づかずに、7月に赴任し「夏も涼しくて良いな」などと馬鹿な感想を持ちました。

 

それが大間違いだったのがその年も12月になり雪が降りだしてからでした。

その前に一応滑り止め付きの靴は買ってはいたのですが、これは長靴が必須だと気が付き、ちょっと先の靴屋まで。

しかしまだ車の運転は不安だったので歩いて行ったのですが、新雪が30㎝もある状況で歩くというのがこんなに大変だったとは。

必死で靴屋までたどり着き、長靴を買ったら帰りはそれに履き替えて歩きました。

 

それからも予想もしていなかった痛い目に何度も会うことになりました。

 

毎回大変だったのが、道路は除雪されてもアパートの駐車場から道路までは何とか自分で雪をどけなければいけないうということで、ほとんど毎朝出勤前の必要作業でした。

どうせフロントガラスも凍り付いていますので、エンジンをかけて暖めて溶かしている間に雪をどかすといった手順でした。

 

一番ひどかった時は2日で50cm以上降った時で、雪をどかしても置く場所がなくなりました。

道路と駐車場の間に側溝があり、そこに雪を流し込むことはできたのですが、網目状の蓋ではすぐに雪が詰まってしまうため、除雪中のみ蓋を上げて雪を落としました。

ところが最後になって家の鍵をその中に落としてしまい、結局側溝の中に入ってカギを探すという羽目に。

 

吹雪の中で車をこすってしまい、修理に出して1週間ほど職場まで30分ほど歩いていくということがありました。

途中に数百m家が途切れて田んぼの中を歩く道があるのですが、帰宅時に吹雪になりそこを歩いているとまるで「ホワイトアウト」状態。一瞬大雪原の中を歩いているかのような感覚になりました。

遭難しなくてよかった。

 

何と言っても厳しかったのが、昼間でも温度が上がらず湿度も高いという気象条件で、末端血管がひどい血行障害になりあちこちに症状が出てしまったことです。

特に目の動きが悪くなって車の運転にも支障が出たのは大変でした。

 

大変だった3回の冬でしたが、ほとんど積雪もない自宅に帰ってきて、やはり少しだけ懐かしい思いはあります。

観光だけだったらたまには行ってみたいかも。