爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「空間除菌」が効果があるなら病院でやっているはず、あまりにも当然な内科医の指摘

「空間除菌」をうたう機器や除菌剤のCMがあふれていますが、それについて内科医の酒井さんが朝日新聞デジタルに書かれています。

www.asahi.comコロナ禍がなかなか終息しないため、「偽りの安心感」が求められているという社会的な心理があるのでしょう。

 

スーパーでの店員の手袋着用も広がっていますが、頻繁に新しいものに付け替えることをしない限りほとんど効果もなく、単に「客のクレーム向け」程度の意味しかないようです。

まあ、手袋を見ただけで安心してしまう客も問題ですが。

 

より問題があるのは、消毒薬を噴霧して空間除菌をするという話です。

これでウイルスが死滅するというデータを持ち出すことがあるのですが、それ以上にその消毒薬が本当に人体に悪影響を及ぼさないかというデータの方が重要なのですが、その評価できる試験をしていることはないようです。

 

酒井さんが記事で書かれている、安全で効果があるなら病院がどこでも採用しているはずというのが、その方法が不安である状況をはっきりとさせています。

 

(ただし、病院の医師が言うことがいつも正しいとも限らないと思いますが)

 

大変な状況ではありますが、そこで金儲けをしてやろうという人々も後から後から出てきます。

かれらも「がんばっている」のは確かですが、間違った方向に進まないように願いたいものです。

消毒薬を空間に噴霧する方法の安全性や有効性は確認されていません。確認されていたら病院などでまっさきに使用されるはずです。関係する業界団体は実験室内の条件でウイルスが不活化された研究を持ち出しますが、それは有効である証明にはなりません。それに、ウイルスを殺せるほどの濃度の消毒薬を空中に噴霧するのは安全性に疑問があります。気管や肺の粘膜は皮膚と違って角質に守られていないのです。安全かつ有効だと主張するならば、実際の使用条件下で感染を防ぐかどうか臨床試験で検証し、査読のある医学雑誌に結果を発表すべきです。そうすれば、日本だけではなく全世界の人たちの役に立つでしょう。