現代の中国でも四字熟語というものはよく使われるようです。
日本でも使われる四字熟語は、歴史的なものが多いのですが、中国では古いものもある一方、最近作られたもののあります。
中国に留学しその後就職もしていた著者の祐木さんが、現代中国で使われている多くの四字熟語を紹介しています。
ビジネス・価値観、人間関係、処世術などいろいろなテーマ別に四字熟語を紹介し、その読み方から意味、出典までを解説しています。
日本でも知られているものではつまらないので、中国独特のものをいくつか紹介してみます。
上当学乖(しゃんだんしゅえぐぁい)
意味は「騙されて初めて賢くなる」
中国では商売で騙されることが多いようです。
しかし、商売人は騙されて初めて成長できるというのも真理のようです。
騙されて、騙された理由、騙されない対策、そして次は自分が騙すテクニックまで考えるという、すごいことをするのが中国ビジネスだということです。
以文会友(いーうぇんふいよう)
意味は「文章の交流で友達となる」
出典は論語「顔淵」
ただし、ここで述べられている中国ビジネスの教えは、「ビジネス現場では相手国の言葉で勝負をするな」です。
中国人は数千年の「文」の民族です。
「文」とは手紙や会話で使われる言葉であり、その人物の教養や弁才を示します。
そのため「文」のレベルが低いと交渉相手に侮られるということになります。
日本人などが、片言の中国語でも使えば相手に評価されると思い込むのはまったく逆に働くかもしれません。
奶油小生(ないようしぁおしぇん)
意味は「演技力は三流、顔は一流の俳優」
1980年代の映画「孔雀公主」に出演した俳優の役柄によって作られた言葉。
ただし、この言葉が広まってからは「色白で甘いマスクだが知性が感じられず男らしくない青年」として使われた。
日本では、「知性」があるかどうかはともかく、「甘いマスクの二枚目」に人気が出そうですが、中国ではそういったタイプよりどっしりとした高倉健のような人が人気でした。
ただし、最近の若い女性で日本や韓国のドラマやテレビを見ている人は少し変わってきているようです。
しかし、そういった若い女性でも「結婚相手」は別で稼ぎもあってどっしりした人が良いということになるそうです。
中国人の価値観というものは、やはり日本人とは少し違うところもあるようです。