爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「眠りがもたらす奇怪な出来事」ガイ・レシュジナー著

睡眠について悩みを持っている人はかなりの数になるかもしれません。 しかし、多少の不眠などはこの本の睡眠障害の実例を見ていくと些細な出来事のように思えてしまいます。 著者のガイ・レシュジナーさんはイギリスの神経科学者で、臨床医でもあります。 睡…

原発の電力を用いて水素製造に乗り出すのか。

水素水素とうるさいことですが、原発の電力を用いて水素を作り出すということが進んでいます。 www.nikkei.com 「原発と水素」というと、嫌でも福島原発事故の際の水素爆発を思い出してしまいますが、そうではなく水素製造に原発の電力を用いて水の電気分解…

太陽光発電の問題点はEPR計算の問題ではないかもしれないことに思い当たった。

最近、雑草Zさんと太陽光発電などのEPRについて議論をしていたのですが、どうも私の主張していた点にも穴があるように感じてきました。 それは「EPRの計算において数え落としが多すぎる」というもので、それを是正するためにも厳密な計算法の確立をすべきと…

「鬼平犯科帳(十二)」池波正太郎著

火付け盗賊改め方を目の敵とする盗賊たちは与力同心たちも付け狙います。 当時非常に殉職の例が多かったそうです。 「いろおとこ」火盗改同心の寺田金三郎は、兄の又太郎が同心在職中に兇賊の襲撃を受け殺されたために家督を継いで同心となりました。しかし…

「はじめまして現代川柳」小池正博編著

川柳というものは江戸時代に生まれて大流行をしたのですが、現代でも作られています。 新聞には読者の作った川柳投稿のコーナーもありますし、保険会社が募集する「サラリーマン川柳」といったものもありました。 そういった流れのもとには専門家として作句…

今年の桜はあっという間に満開から散り始め

開花が非常に遅れた今年のソメイヨシノですが、開花後の気温上昇であっという間に満開からすでに散り始めているようです。 ちょっと前に開花が始まったと書いたような気がする八代城址ですが、今日行ってみたらすでに満開から散り始めている花もありました。…

「ネットいじめの現在」原清治編著

学校でのいじめというものは、かつてのような身体的なものではなく、仲間外れにしたり無視したりといった精神的なものが主流となっています。 そしてそれにネットというものが深く関わってきているため、親や教師から見にくいものとなっているようです。 そ…

小学校入学式の思い出

父の作ってくれた写真アルバムの一番古いものに、幼稚園の卒園の集合写真と小学校入学の写真があります。 小学校入学時のものを貼ります。 下に学校名と年月日が入っています。 まあボカシは要らないでしょう。 もう63年も前の4月1日、子どもたちは70…

「水素社会は夢じゃない」? 川崎重工は社運をかけているようです。

水素というものに対して期待する動きが強まっています。 気候変動が実感として感じられるようになり、その原因と考えられる二酸化炭素放出が少ない(実際は単に”見えない”)ものへの転換が必要とされてきましたが、それの第一歩として広められた太陽光発電や…

紅麹サプリ事件、原因物質候補としてプベルル酸が浮上

小林製薬の紅麹サプリによる薬害(薬じゃないけど)事件の原因物質特定には長期間かかると言われてきましたが、突然「プベルル酸」という名前が上がってきました。 そんな化合物など聞いてこともないという人がほとんどでしょう。 もちろん、その化合物が腎…

「始皇帝の愛読書」鶴間和幸著

秦の始皇帝といえば「焚書坑儒」という言葉でも有名であり、書物などは燃やしてしまえとばかりの反教養主義的な人物かという印象が強いのではないでしょうか。 しかし、中国でも西の辺境から国を強化し全中国を統一するという偉業を成し遂げたのですから、そ…

「鬼平犯科帳(十一)」池波正太郎著

この巻も異色の設定の話が続きます。 「男色一本饂飩」浪人に身をやつしての市中見回り中だった火付け盗賊改め方同心木村忠吾は深川の永寿山海福寺の門前の一本饂飩が名物の茶店豊島屋で昼食をとっていたところを盗賊の首領寺内武兵衛の男色の相手として目を…

「教養としての 日本列島の地形と地質」橋本純著

プレートテクトニクスの理論によれば、日本列島はプレートが4枚押し合っているという世界的に見ても稀な特徴を持っており、そのために地震が非常に多くまた火山も集中しています。 また雨量も多く温帯でこれだけ降水量の多いところは珍しいほどです。 そのた…

ようやく認識された危険性、「機能性表示食品」制度そのものに問題点があった。

小林製薬の紅麹サプリによる被害が徐々に明らかになり、その大きさに驚かされます。 製造上の問題点や異常発覚の後の小林製薬の対応のまずさなども出てきていますが、そもそも「機能性表示食品」という制度自体にこういった危険を生む要因があったということ…

「力学入門」長谷川律雄著

力学とは物理学の一部門ですが、感覚としては物理の主要な部分であると感じます。 しかし中高でごく基礎を学び、大学でも教養でわずかに学んだだけでとても十分に理解できているとは言えませんでした。 それでこの本を読んでみたのですが、やはり理解しづら…

「ベニコウジ色素」と「小林製薬の食品原料紅麴」は別物。FOOCOM.NETで森田満樹さんが解説。

小林製薬の紅麴サプリによる健康被害はさらに広がりを見せていますが、案の定というかなんと言うか、食品添加物の「ベニコウジ色素」をも危険視する風潮が始まっており、それについて食生活アドバイザーの森田満樹さんがFOOCOM.NETで詳しく解説されていまし…

「『混血』と『日本人』 ハーフ・ダブル・ミックスの社会史」下地ローレンス吉孝著

異なる民族(人種)の男女の間に生まれた子ども「混血」、人々の交流が盛んになれば必ずといってよいほど現れてくるものでしょうが、日本では特に第二次世界大戦後に多く出生してきました。 これは占領軍として日本に進駐してきた主にアメリカの軍人たちと日…

紅麹事件、被害も影響も広がる

小林製薬の紅麹サプリによる健康被害は死者発生も判明、供給を受けていた商品の回収も広がるという事態になっています。 news.yahoo.co.jp 長期間飲み続けていた人が腎障害で亡くなったという死亡事例が2件判明、入院患者も増え続けているということです。 …

「『ポスト真実』時代のネットニュースの読み方」松林薫著

今やニュースを見聞きするのはネットからという人が多くなってきました。 しかしネット上の情報というのはどうやら怪しいものが多いということも問題になってきています。 そのような実情について、かつて日経新聞で記者を勤めその後ネットジャーナリズムを…

ソメイヨシノ開花宣言がないので油断していたら、近くでは咲いていた

熊本ではまだソメイヨシノ開花の宣言がありませんので油断していたのですが、ちょっと近くまで行ったので八代市の花見の名所、八代宮に寄ってみたらもう咲いていました。 多い木で2分咲きくらいでしょうか。 ここは八代城址にあるため、四方を石垣に囲まれて…

「鳥獣戯画のヒミツ」宮川禎一著

京都の高山寺に伝わった鳥獣戯画は日本漫画の祖とも言われており、教科書にも掲載されているため誰でも一度は目にしたことがあるでしょう。 ウサギやカエルが相撲をとったりする絵で有名です。 これがどのように描かれたか、鳥羽僧正が作者という伝説もあり…

大相撲大阪場所は大波乱で終了。

大相撲大阪場所が新入幕の尊富士の優勝という、稀に見る事態で終了しました。 www.sanspo.com新入幕の力士が優勝したということは110年ぶり、しかも当時は取組編成やその体制もかなり違っていたということを考えれば、上記記事のように「史上初の快挙」と…

「リスクの世界地図」菅原出著

世界のあちこちで緊張が高まり、犯罪の危険性も増加しています。 観光旅行にも大きなリスクがあるのですが、それ以上に問題なのがビジネスで出けたり滞在したりする場合で、そういった人々が犯罪などに巻き込まれることも多発しています。 少し前の事件です…

「テロリストに未来はない」とプーチンは語る。自分の事か。

モスクワ近郊で大規模な銃撃事件があり多くの人が殺害されました。 その方々には本当にお気の毒としか言いようがなく、ご冥福をお祈りいたします。 しかし、プーチン大統領は様々なことをしゃべっており、ウクライナとの関係を疑ったりというのは戦争に利用…

小林製薬の機能性表示食品で健康被害か。

小林製薬が発売していた機能性表示食品で腎臓に障害が出たという被害が出たとして謝罪、製品回収を行っています。 www.sankei.com当該製品は紅麴の成分を配合したという機能性表示食品のサプリメントだということで、腎疾患の被害が相次いで報告されたという…

「鉄道写真 ここで撮ってもいいですか」渡部史絵・結城学共著、長島良成監修

鉄道ファンが増加し、乗り鉄とか撮り鉄といった言葉も普通に使われるようになってきました。 しかし鉄道写真を撮ろうという撮り鉄の中には撮影マナーが悪い人たちもいるようで、時々トラブルを起こしたというニュースが流れることもあります。 そんな人向け…

ナノプラスチックを血液の中から検出

我が家の購読新聞、熊本日日新聞で21日付けの紙面の1面に大きく掲載されていた記事が以下のものです。 news.yahoo.co.jpごく微量のようなので、問題は分析技術次第だと思います。 記事中にもあるようにオランダの研究グループの例がすでに発表されているよ…

「ブラック生徒指導」川原茂雄著

「ブラック校則」といったものが話題となりますが、学校において行われる生徒指導というものは多くの問題を含んでいるようです。 「学校での生徒指導」という、至って普通のことのようなものの中に、どのようなものが含まれているのか、高校で長く生徒指導に…

FIT(再エネ賦課金)が4月からさらに60%上がるとか。

再生エネルギー業者などに助勢するために電気使用のすべての人にかかるFIT(再エネ賦課金・電力固定価格買い取り制度)が4月からさらに60%も増加するということです。 agora-web.jp 電気料金の明細を見ると溜息が出るばかりですが、それにさらにこの賦課…

「歴史修正主義」武井彩佳著

歴史上の事について、これまでの定説をひっくり返すようなことを主張する人々がいます。 「ヒットラーは偉かった」とか「ホロコーストなど無かった」とか。 そういった論説を「歴史修正主義」と言います。 この歴史修正主義について、その起源から現状、さら…