爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

大きな数字が出ているからと言って何かすごいことが起きているとは限らない。「海洋の9万9千倍の速さで二酸化炭素除去」

脱炭素化技術ではいろいろとトンデモニュースが飛び交いますが、これもその一種でしょう。

「海洋の9万9千倍の速さで二酸化炭素を除去」するというものですが、中身を見れば電力の無駄遣いに過ぎないようです。

news.yahoo.co.jp海洋が大気中の二酸化炭素を吸収しているというのは間違いのないことですが、それを促進してやろうという装置を開発しているということです。

エクアティックというのがその企業の名前のようですが。

 

この企業が開発している装置というのが以下のようなものです。

大気中の二酸化炭素を吸収するには、さまざまな方法がある。エクアティックの場合は海水に電流を流して水素、酸素に分解し、酸と塩基の2つの液体を生成する。

「このプロセスによって海水に溶けていた炭素が貝殻のような成分の固体として貯蔵され、冷却塔を介して大気中の二酸化炭素が除去するアルカリ性のスラリー(粘り気のある液体状の混合物)を生成する」とサンダースはBusiness Insiderに宛てたメールで述べている。

結局、海水の電気分解で酸と塩基を作り出し、それを二酸化炭素と反応させて沈殿させるということでしょう。

 

問題はそのようなバカげたことに大量の電力を使用する正当性があるかどうかです。

全く無しでしょう。

 

冒頭の数字はどういった根拠で算定したのかも分かりませんが、沈殿の生成速度でも計って自然界の数字と比べただけのものでしょうか。

具体的な大きな数字が出ているからといって、何の意味もないというものです。

 

最近のこの種の話では「電力は再エネを使うから良い」といった理屈をつけられることが多いようです。

しかしどんどんと電力消費が増えている状況で、そのような余計な電力使用などする余裕は全くないでしょう。