有名な三銃士物語を含むアレクサンドル・デュマ・ペールの大作、「ダルタニャン物語」はこのブログ開始直後に読書記録を書いています。
「ダルタニャン物語1友を選ばば三銃士」アレクサンドル・デュマ著 - 爽風上々のブログ
まず、このダルタニャン物語の文庫版全11巻というものはいったん絶版されており、私が全冊購入してそろえているのは当時は珍しかったこと。(現在は復刻されているとか)
そういった周辺事項のみの記述とし、あえてあらすじや中味については触れずに済ませたようにも思います。
もうそれから10年、ブログ経験も積み少しはネタバレも承知でやってもという心積もりもできたので、再読してみようと思います。
とはいえ、あらすじを一つ一つ書いていくのも芸が無さすぎのようなので、デュマの筆力を注ぎ込んで描写したと言える印象的なシーンをいくつか紹介していくことにしたいと思います。
なお、その印象というものは、もしかしたらこの本の描写だけでなく、後から見た映画の「三銃士」のものかもしれませんが、よくは覚えていないのであえて触れません。
この第1巻は良く知られている部分ですが、ガスコーニュの田舎から一旗揚げようとパリに出てきたダルタニャンが故郷の英雄トレヴィル殿のもとに飛び込み、その配下の三銃士、アトス・ポルトス・アラミスと知り合って友人となる導入部。
そして住処の大家の夫人、コンスタンス・ボナシューに一目ぼれしたダルタニャンがコンスタンスが巻き込まれた王妃とバッキンガム公爵のスキャンダルを救うため、リシュリュー枢機官の妨害を乗り越えてロンドンに赴き、首尾よく使命を果たすこと。
そしてそのお礼として一夜の会食を準備したコンスタンスが拉致され行方不明になること。
そして本巻の最後はいよいよ本格的にイギリスやスペインを相手の戦争に入るというところで終わります。
最初の印象的シーンは、ダルタニャンの登場でしょう。
マンの町に現れたダルタニャンは「その様子を一口でお伝えするなら、さよう、18歳のドン・キホーテを思い浮かべていただきたい。(中略)この青年はともかく乗馬を持っていた。12・3歳になるベアルン産の小馬で毛並みは黄色、尻尾には毛が無くて歩くとき頭を膝より低く下げる」
誰の目にも目立つこのような有様を嘲笑したロシュフォール(この時は名前は不詳)と切り合いになり、その後も仇敵となることを予測させます。
ダルタニャンと三銃士の出会いの場面も有名なものです。
トレヴィル殿の屋敷を訪ね、父からの紹介状をロシュフォールに奪われたため思うような待遇を受けられなかったダルタニャンですが、一応の就職口を示され退出しようとしたところ、その視線の彼方にロシュフォールが現れます。
興奮したダルタニャンは慌てて階段を飛び降り彼を追おうとしますが、その途中でアトス・ポルトス・アラミスと不器用な遭遇をしてしまい、彼らとそれぞれ決闘の約束をします。
そして出かけたのがカルム・デショー僧院前の空き地。
そこで果し合いをしようとするのですが、4人が揃った時にちょうど現れたのが枢機官側の護衛士。果し合いは禁制と言いがかりをつけ、4人との斬り合いが始まります。
護衛士側もダルタニャンは銃士ではないことは承知で、下がるように告げるもののそこでダルタニャンは銃士と共に行くことを決意します。
「きみは愉快な男だな、アトスは青年の手を握りしめた。(中略)よしアトス・ポルトス・アラミス・ダルタニャン、四人とも前に出ろ。アトスが叫んだ」
ダルタニャンと三銃士の生涯の縁が始まったきっかけです。
なお、あまり気にしている人はいないようですが、この部分のヒロインであるボナシュー夫人の名はコンスタンス。フランス人女性としてはあまり多い名前ではないでしょう。
今でも多いのはルイーズやエマ、ジャンヌといった聞きなれた名前のようで、コンスタンスというのは中世の王妃の名前に散見される程度です。
著者のデュマが重要なこの女性の名前として使ったのはなぜなのか。
興味あるところです。
