爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻細胞生物学」D・サダヴァ他著

アメリカの大学の教養課程の生物学教科書としてもっとも人気の高い「LIFE」という本を翻訳したものですが、全57章の中から17章までを3巻に分けて講談社ブルーバックスとして出版しています。 これは第1巻の細胞生物学で、第2巻分子遺伝学、第3巻分子生物学と…

「ヘイトスピーチとたたかう!」有田芳生著

ジャーナリストから参院議員になった有田さんが特に在日韓国・朝鮮人の人々を対象として行われているヘイトスピーチについて批判をしています。ヘイトスピーチというものがあるということは分かりますが、なかなか報道も少ないために分かりにくいものになっ…

「図解 世界資源マップ」資源問題研究会著

資源問題に関心を持つジャーナリストや専門家が集まって調査や啓蒙を行っているという資源問題研究会というグループが著者です。 公式に出ている数値をまとめたという意味では見ておく価値はあるのかも知れません。最初の各国現状ですが、日本には資源と呼ば…

「気候変動とエネルギー問題 CO2温暖化論争を超えて」深井有著

著者は物理学専攻ですが、その分野が金属物理ということで理学部門だけでなく工学部門にも通じているということです。中央大学名誉教授になっています。 気象自体は専門ではないのですが、それに関する議論のあまりにも低俗なことに業を煮やしたか、かなり基…

「理系思考 分からないから面白い」元村有希子著

毎日新聞の科学環境部記者の元村さんが、毎日新聞のコラム「発信箱」に掲載したもので、2003年から2007年頃までのものをまとめたものです。 表題は理系思考とありますが、内容はやはり理系の女性に関する話題も多いものとなっています。我が家も昔から毎日新…

「私を猫と呼ばないで」山田正紀著

この前読んだSF作品の「読書会」の著者の恩田陸さんともう一人の山田正紀さん。今度は山田さんの本も読んでみました。山田さんはデビュー作の「神狩り」をSFマガジン誌に発表時に読んでいましたが、他の作品はまったく読んだことがありませんでした。本作は2…

「不連続の世界」恩田陸著

塚崎多聞なる音楽プロデユーサーが主人公の「トラベルミステリー」ということで、全国あちこちに出かけてそこでちょっと不思議な物語という中篇をいくつか集めたものです。 2000年以降の作品ということで、まあ手慣れた様子で書かれています。 主人公と絡み…

「ハタケと日本人 もう一つの農耕文化」木村茂光著

江戸時代の大名の領国を著すのに五万石や百万石など米の生産高だけで呼ぶというところから、昔は稲の生産のみが注目されていたかのように考えがちですが、当然のことながら畑の生産というものも昔から行われていたのは間違いないはずです。しかしやはり正確…

「なぜそんなに痩せたいの?美人になりたい女の社会心理学」ヴァルトラウト・ポッシュ著

行き過ぎた痩身願望で若い女性が健康を損なっていると言うと日本のことのようですが、著者はオーストリアのジャーナリストで本書はアメリカやヨーロッパの状況について書かれています。 日本では痩せることについて過度な期待があるが、欧米ではグラマー志向…

「適正技術と代替社会」田中直著

適正技術とはあまり聞いたことのない言葉でしたが、1960年代から1980年代にかけて盛んに議論されてきたようです。 資本主義と近代科学技術により社会は発展したと考えられていましたが、一方それによるひずみというものが随所に出てきていると考えられ、それ…

「古今東西ニッポン見聞録」林和利著

日本を訪れた外国人が書いた日本の社会や日本人の紹介というのは数多く書かれており、古くは魏志倭人伝というのもそうですし、最近ではルースベネディクトの「菊と刀」やドナルドキーンの「日本人の美意識」という本も重要でしょう。 日本人自身が書いたもの…

「信じぬものは救われる」香山リカ・菊池誠著

精神科医でさまざまな方面の著作もある香山さんと、物理学者ですが様々なニセ科学に対抗する論陣で有名な菊池さんがあれこれと対談した内容です。2006年に日本物理学会の大会でニセ科学をあつかったシンポジウムが開かれたのですが、それを主催した一人が菊…

「私と踊って」恩田陸著

恩田さんの本の2冊目は最近の短編小説集でした。2012年の出版ですが、その5年ほど前から様々な場所で発表された短編小説のうち、色合いの似たものを揃えたようです。 一般の小説誌に発表されたものもあり、SFやホラーといったものは少ないようで、普通の現代…

車両が歩道を横断する場合

表題のような項目が道路交通法には決められており、道路沿いの施設などに出入りするためにやむを得ず歩道を横断するしかない場合に限り車両は一旦停止のうえ横断できるということになっています。九州でも片田舎のわが町でも道路整備だけは進められており、…

言語道断の交通事故

酒酔い運転や脱法ハーブ運転など、言語道断というべき交通死亡事故が相次いでいます。小樽の事故では亡くなった方々がうちの子供と同年代で他人事ではない思いが強く、周囲の方々の悲嘆も激しいものと思います。そのような事故加害者への罰則は厳しくなるば…

「大人問題」小浜逸郎著

著者は経歴欄には「批評家」と名乗っています。実態はどうなのでしょう。 この本を出すに先立ち、「子供問題」という本を出版しています。これはその続編という形で、様々な場所で発表された随筆などのうちから大人問題というテーマにふさわしいものを選んで…

「物語 ウクライナの歴史」黒田祐次著

著者は外務省の外交官で、1996年からウクライナの大使を務めました。 現在、ウクライナでは東部を中心に内戦状態になっており、大変な状況です。ウクライナといってもロシアとどう違うのか、日本からはなかなか分かりにくいところですので、この辺で一度ウク…

「日本列島の巨大地震」尾池和夫著

地震学者で京都大学総長も勤めた尾池さんが東日本大震災のあと巨大地震について一般向けに解説を書かれたものです。主な記述は東日本大震災ですが、被災者には申し訳ない話かもしれませんが、今回の地震は様々な記録が数多く残り地震学としては貴重なデータ…

「伊能忠敬の地図を読む」渡辺一郎・鈴木純子著

著者の渡辺さんは電話関係の職に付きながら伊能忠敬に関する研究を続けて、自ら「伊能忠敬研究会」を立ち上げ代表理事、名誉代表を勤められているという方です。伊能忠敬の地図といえば詳細で正確なものを江戸時代に作成したということは誰でも知っていて、…

「大人のいない国」鷲田清一、内田樹著

若さだけが価値があるかのような風潮で、「成熟」ということが顧みられなくなったような現代ですが、哲学者で大阪大学総長の鷲田さんと、現代思想学者で神戸女学院大学教授の内田さんが成熟社会の中での未熟者ばかりという状況について対談を随想を書いてい…

「蒲公英草紙 常野物語」恩田陸著

つい最近、「読書会」という本を読んだのですがそれを山田正紀さんとともに著したのが恩田さんということで、これまであまり読んだことのない作家でしたので興味を覚えました。 図書館で見てみるとかなりの数の本があるようで、手始めに「常野物語」の中から…

「原発事故と放射線のリスク学」中西準子著

原発事故と放射線のリスクについて、横浜国立大名誉教授で独立行政法人産業技術総合研究所フェローの中西準子さんが著書を刊行されたのは今年の3月11日でした。 その話は直後に知り、ぜひ読んでみたいと思っていたのですが、やはり本屋で手に取ってから買…

「日本語の歴史Ⅰ 民族のことばの誕生」編集委員 亀井孝 大藤時彦 山田俊雄

平凡社から1965年に刊行された「日本語の歴史」全7巻が2006年に復刻刊行されたものの第1巻です。 編集委員筆頭の亀井孝はやや異端の言語学者と言われたそうで、簡単に日本語の成り立ちを説明すると言うような姿勢ではなく、何度も読み返して初めて…

「犯罪からの子どもの安全を科学する」清永賢二監修 清永奈穂他著

監修者の清永賢二さんは警視庁科学捜査研究所の室長などを勤められた後日本女子大に移られたということで、犯罪の科学捜査という点では専門かもしれません。著者筆頭の清永奈穂さんは子どもさんでしょうか。 ただし、本書は子どもの犯罪被害を防ぐという観点…

「いつまでもあると思うな、水と食」中村靖彦著

中村さんの本はこれまでも何冊か読ませていただきましたが、NHKで農業関係の報道に携わりその後解説委員も勤めた方です。 その後大学教授を務める傍ら、執筆活動をしていますが、報道担当当時は番組を流してもあとに残らず、振り返ってさびしく感じたようで…

「科学の落とし穴 ウソではないがホントでもない」池内了著

池内さんは現在は総合大学院大学の教授で天文学者ですが、科学一般についての著書も多いようです。本書もそういった面での随想などを連載したものをまとめたようです。 中日新聞に掲載したものと「グラフィケーション」に発表したものでどちらも2ページのも…

「男女平等バカ」野村旗守編

男女共同社会参画基本法なるものが施行され、男女平等が法律的にも保証され推進されているはずにも関わらず、いまだに道は遠いと言う状況ですが、そういった現状を嘆いたものかと思って図書館で選んで借りてきた本ですが、まったく内容は異なりました。執筆…

サッカー日本代表帰国風景に違和感

ネット新聞で表記のような記事を書いている記者がいました。 韓国では日本とほぼ同様の成績で帰国したところ、空港で罵倒されたうえに、飴を投げつけられるという侮辱行為もあったそうですが、日本代表はそのようなことは全く無く、「よくやった」「ありがと…

「読書会」山田正紀・恩田陸著

SF作家の山田さんと恩田さんが、SFの名作を改めて読んでそれについての感想を話し合うと言う企画です。 知らなかったのですが、徳間書店から出ていた「SF JAPAN」という雑誌の連載だったようですが、すでにその雑誌も休刊となっているようです。毎回、それ以…

「まともな人」養老孟司著

「バカの壁」で有名な解剖学者の養老さんが、2001年から2003年まで中央公論に連載したエッセイをまとめたものです。 中央公論はおそらく小型の本ですが、それの見開き2ページ×2の4ページ分くらいでしょうか。新書版で約7ページずつです。月刊誌…