監修者の清永賢二さんは警視庁科学捜査研究所の室長などを勤められた後日本女子大に移られたということで、犯罪の科学捜査という点では専門かもしれません。著者筆頭の清永奈穂さんは子どもさんでしょうか。
ただし、本書は子どもの犯罪被害を防ぐという観点で書かれており、学校の先生などが実際に対策を取る手助けになるように作られていると言うことは分かるのですが、どうも内容が「科学的」と言うようには思えないのですが。
実際の犯罪の事例を挙げ、その要因を解析し、自らの地域の安全マップなどを作ってから子どもの安全教育カリキュラムを組み立てていき、さらに犯罪被害にあわないように基礎体力のトレーニングまで行うというのは、現実的であり、それなりの効果も期待できるかもしれませんが、それでもなにか「科学的」というところからは違うのではないかと言う感想を持ってしまいます。
書いてある内容は間違いのないことでしょうし、これで実際に動いた人も多いのかもしれませんが、どうしても「科学的」という題名にこだわってしまうんですね。もうちょっと科学的にできないのかなという思いを持ってしまいます。まあ無いものねだりかもしれません。