台湾の世界的半導体メーカーTSMCは熊本県に工場を設置し既に第一工場は操業を開始、第二工場も建設を始めています。
周辺の交通渋滞がひどくなったという問題点は盛んに指摘されていますが、やはり最大の問題点は地下水の大量消費でしょう。
それについて、水ジャーナリストという橋本淳司さんという方が東洋経済オンラインに記事を書いていました。
以前にもTSMC進出の危険性について書かれた本を読んだこともありますが、同様の指摘です。
台湾で創業し世界的な半導体供給メーカーとしての地位を築いたTSMCですが、台湾が既に水と電力供給で厳しい状況になった(TSMCの活動の結果そうなった)とありました。
今回の記事も同じような点から論じています。
台湾では水不足が常態化し、工業用水、農業用水だけでなく生活用水まで供給制限される事態となっているとか。
そこで目を付けたのが水の豊富な熊本だったということです。
半導体工業により確かに経済は活性化する可能性がありますが、それで失われる地下水の価値はそれでは賄えないほど大きいものだということを分かっているかどうか。
記事後半では急速に建設が進むデータセンターにも言及しており、これも電力消費だけでなく大量の水消費が必要だということも触れられています。
AI革命などと言われていますが、実際には電力供給で大きくブレーキがかけられるだろいうということは指摘してきました。
しかしどうやら水供給という点でもそれが現れそうです。
ただし、その現れ方は電力の場合の停電頻発などと言う事態よりはるかに厳しい水不足、地下水枯渇になる恐れがあるということは大変な事態でしょう。
地下水枯渇に備えるなどといって、熊本では稲作の終わった水田に水を溜めて地下への浸透を図る地下水涵養などということが行われています。
これである程度の地下水補充ができると称していますが、本当かどうか。
結果はそのうちに現れてくるのでしょう。