畝山智香子さんがFOOCOM.NETで盛んに情報発信をしていらっしゃいますが、今回は「シンガポール食品安全庁のウェブサイトを一度見てください」というものでした。
foocom.net畝山さんは国立医薬品食品衛生研究所で安全情報部長を務めている間もできる範囲で食品情報を公開していたのですが、退職してからはFOOCOM.NETで野良猫通信と題したコーナーに発信しています。
今回はシンガポール食品安全庁がウェブサイトを更新したというニュースです。
シンガポールは非常に狭い国土に多数の国民を抱えており、食料の90%以上を輸入、水すら隣国マレーシアから供給を受けるという国です。
それだけにリスク管理には非常に注意を払っているようです。
まず一般向けのリスク解説ですが、70項目について簡潔で判りやすいものが掲載されているということです。
また、食料安全保障戦略は日本も大いに参考にできる内容となっています。
食料自給などはじめからあきらめているのか、とにかく輸入相手の多様化に努めており、2023年には187の国と地域から輸入しています。
また少ないながらも国内生産も科学的に行えるように努力はしているようです。
これらを日本の政策と比較すると、
特に「輸入相手国の多様化によるリスク分散」と「最小限のリソースでより多くの収穫を得る」は基本的考え方として合理的です。この考え方を採用すると非関税障壁のような各種輸入制限や資源の無駄遣いである有機農業の推進、などは望ましくないことになるのですが。
ということで、どうやら日本の立場が米国のような農産大国や欧州のように伝統重視の国ともかなり異なり、シンガポールの方が類似性が高いことを忘れているようです。
この前の衆院選でも各党の政策の中にあまり食料対策が扱われていませんでした。
本気で考えなければいけないことなのですが。
紹介を読むだけでなく、私もシンガポール食品安全庁のサイトの原文を読んでみましょうか。