国立医薬品食品衛生研究所の畝山智香子さんが健康食品に関する本を出版されたということは知ってはいましたが、まだ拝見しておりません。
この本について、FOOCOM.NETの松永和紀編集長が記事にしています。
健康食品こそがもっとも不健康……畝山智香子さんの新著を読んだ | FOOCOM.NET
書名は『「健康食品」のことがよくわかる本』(日本評論社、税込み1728円)ということで、さまざまな事例をあげて健康食品として売られているものの安全性、有効性について書かれているそうです。
例えば、イチョウ葉エキスについては発がん性が疑われる実験結果も出ているとか。
また、エキナセアというハーブはアレルギー誘発性が高く注意喚起されている国も多いようです。
漢方薬として昔から使われているものには、発がん性物質が含まれていたものがあり、台湾では使用禁止になったとか。
天然物だから安全などといったことは全く根拠がなく、また昔から使われていたといっても平均寿命が短かった頃には発がん性などは問題とならなかったという事情もあるために今になって危険性が明らかになることも多いようです。
また、肝心の有効性、機能性についても日本の基準は非常に甘く、欧州食品安全機関(EFSA)が科学的には有効性は認めてられていないとしているものが堂々と謳われています。
「ヒアルロン酸が皮膚の保湿に役立つ」「コラーゲン加水分解物が関節の健康に役立つ」「グルコサミンが関節の軟骨の維持に効果がある」などは日本の機能性食品表示で表示することができる機能ですが、いずれもEFSAは科学的根拠はないと断定しています。
さらに日本ではトクホで認められている、ラクトトリペプチドの血圧への影響、プロバイオティクス(ヨーグルトなどの乳酸菌や発酵食品)、プレバイオティクス(ガラクトオリゴ糖など)の整腸作用すらEFSAでは認められていないそうです。
畝山智香子さんの結論は、「 これが実態なのに、健康食品を買いますか? ちまたにあふれる健康情報を信じますか?」だそうです。
単行本でちょっと高いのでまだ買っていませんが、これはやはり読んでみなければいけませんね。酒をちょっと控えて買いましょうか。