ダルタニャン物語もルイ14世の治世の始まりからその栄華に向かいます。
ただし、宮廷の恋愛物語などが主流となるため、これまでの主要登場人物、ダルタニャン、アトス、ポルトスなどはほとんど登場しません。
アラミスのみは時々現れてそののちの陰謀の準備を進めています。
イギリスよりフランス国王の弟に嫁いできたアンリエットはその美貌と才気、知性で皆を魅了します。
イギリス時代からそれに魅せられ、嫁入りに同道してフランスでも付きまとっていたバッキンガム公爵はルイ14世により追い払われますが、その代わりに王弟妃に魅せられたのがギーシュ伯爵でした。
しかしギーシュも王弟殿下の嫉妬にさらされ追放されます。
その隙に王弟妃に近づいたのがルイ14世自身でした。
彼もアンリエットの魅力にひかれていきます。
ただし、バッキンガムやギーシュのように世間に知られるとイギリスとの国交も影響を受けることとなります。
そのため、国王と王弟妃はスキャンダルの身代わりとして一番目立たない地味な侍女を選びます。
それがラ・ヴァリエール嬢でした。
その時は彼女をブラジュロンヌ子爵と結婚させたいとアトス(ラ・フェール伯爵)に頼まれたものの国王自ら留保したことを完全に忘れていました。
王弟妃に会いに行く口実としてラ・ヴァリエールを訪れるという形で使おうとしたのでした。
ところが事態は思わぬ方向に進みます。
饗宴が開かれていたフォンテーヌブローで、深夜にラ・ヴァリエールは同僚の王弟妃侍女たちと3人で庭園に出て話をするのですが、それを近くで聞いていたのが国王本人でした。
その話の中でラ・ヴァリエールは国王への想いを話してしまい、国王はそれまでの行き掛りを忘れて本気で彼女を愛してしまいます。
王弟妃は怒り話自体を壊そうとするのですが、それがかえって国王とラ・ヴァリエールの気持ちを進めてしまいました。
暗躍を繰り広げるアラミスですが、まだ明らかにはされていないものの、王家の秘密を握っており、それを使ってイエズス会の管区長となります。
その時、財務卿フーケは国王からの無心に全財産を奪われようとしていました。
もうおしまいかとあきらめかけたフーケにアラミスは最後の逆転を目指すよう説得します。
事態が大きく動くのは次の巻になりそうです。
