爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

東北新幹線車内で薬品が漏れる事故、しかしあまりにも杜撰な薬品取り扱い。

東北新幹線の車内で乗客が持ち込んだ薬品が漏れ出し大騒ぎとなりました。

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薬品はどうやら硫酸らしいということになってきたようですが、私は一目で濃硫酸だろうと思いました。

 

しかしそれにしてもあまりにも無知としか言いようがない取り扱いだったようです。

通常、業務に強酸を使用するといえばおそらく濃硫酸と濃塩酸程度しか思い当たりませんが、(他にもあるでしょうが)どちらも当然ながら取り扱いには注意が必要です。

濃塩酸は揮発性が強く、もしも外部に漏れだせば周囲に大きな影響が出るでしょうから、今回のような場合であればもっと大規模な騒ぎになっていたのではないかと思います。

しかし濃硫酸も揮発性はないと言ってもミストが発生しそれを吸い込めば大変です。

さらに多くの物を犯す強さがはなはだしく、あっという間に周囲はボロボロ、人体は火傷ということになりかねません。

 

それにしても「濃硫酸をペットボトルに入れて携行」というところで唖然です。

濃硫酸は通常は専用の試薬瓶に入っており、キャップも耐酸性の強いものです。

ペットボトルではすぐに溶けて漏れ出すでしょう。

さらに洗面所に行って水をかけたというのにもさらに唖然。

濃硫酸は水を掛けると急激に発熱し爆発的に飛び散るでしょう。

ニュースではこれを持参していた人は40代会社員ということですが、これまでそういった取り扱いをしてきたのでしょうか。

 

こういった人がこのような事故を起こすことで、多くの人が大きな迷惑を被る危険性があります。

このような薬品を少量でも鉄道車両に持ち込むことが問題視されかねません。

たしかに危険性があるからと言われれば仕方ないのですが、こういう薬品が必要な業務はたくさんあります。

そういったことができなくなるかもしれません。

このニュースを扱ったワイドショーでも、素人のコメンテーターが「こういった薬品を持参する時は自動車を使え」などと大変な事をおっしゃっております。

東京から東北、中国四国などは普通の出張範囲内ですが、それを薬品持参だからと自動車で行くとなれば簡単な話ではなくなります。

一人の不心得者のせいで多くの人が迷惑を被るかもしれません。

 

もちろん事故など起こすことが万一にもないように注意すべきですし、担当者の教育訓練はさらに厳しく行うべきなのはもちろんです。