道頓堀といえば大阪で一番の繁華街。
現在でもそうですが、江戸時代から明治、大正と常に繁華街でした。
かつては芝居小屋、その後劇場、映画館などと変わりながらも人を惹きつけ続けてきました。
道頓堀に関して多くの書物、ドラマ、映画なども作られてきました。
大正9年に出版された、「道頓堀」という雑誌があったそうです。
編著者の橋爪さんはその本を古書店で見つけて購入しました。
その本には道頓堀について書かれた本文の上にイラストが描かれており、それが道頓堀から宗右衛門町などの街並みのお茶屋や商店などを詳細に描いたものだったのです。
検討してみると、それらは正確に町の状況を写しており、店の名や外観など当時のままと見られるということでした。
この本はその「道頓堀」のイラストに現れている劇場、お茶屋、商店などを一軒一軒紹介していこうというものです。
もちろん、現在とは相当違うもので、今の大阪の人でもほとんど知らないような内容でしょうが、かつてこのような町があったということは覚えておくべきなのでしょう。
第一章は戎橋筋から浮世小路まで、第二章は法善寺横丁から堺筋まで、第三章は堺筋から太左衛門橋交番まで、そして第四章が太左衛門橋から再び戎橋までとなっています。
実は私は大阪には数度しか行ったことがなく、それも新大阪周辺だけで、道頓堀は一度通り過ぎただけでほとんど知りません。
それでも何か目の前に見えるような町の紹介でした。
ただし、大正末から昭和にかけて、もう100年も前の町ですが。