ちょっと冗談のような題名ですが、中身はいたって真面目なものです。
世界諸国でもある地域の独立運動というものには敏感なようで、徹底的に弾圧する国が多いようですが、中には住民投票をしようというところもあります。
しかし、やはり相当な困難が伴うことでしょう。
日本の場合、沖縄の方により現実性が感じられますが、本書は大阪地区の政治経済すべての面での落ち込みに苛立った大阪人が独立の可能性について検討したということです。
もしも分離独立を目指すなら、一番問題なのは現在所属している国の政府をどう動かすかですが、本書は2010年の出版、もっとも弱弱しい民主党政権の頃ですので、うまく交渉を進めれば何とかなると見えたのでしょうか。
現在の自公政権ではまったく不可能でしょう。
それでも、米中などの周辺大国を動かし、彼らに有利な条件(関西空港の米基地化など)を持ち出して、先に米中の了承を取ってしまえば日本政府などどうにでもなるというのは、現実的な話かもしれません。
そのあとの国造りに関しては、各分野の専門家が組み立てただけのことはあり、なかなか真に迫ったものとなっています。
憲法は、聖徳太子の十七条憲法がまだ生きていると考え、それを基本としたものとするそうです。
財政問題では、日本の国債などの負債は分担しないという日本政府との交渉が重要です。
もしもGDP比率などで応分の負担とすると、その時点でも65兆になるため、大きな足かせとなるところです。
また、国境は現在の大阪府を基準としますが、周辺との関係から幾分かは変更が必要となります。
また、将来の観光業などの関係で、兵庫県芦屋市、和歌山県白浜町、兵庫県甲子園球場などは飛び地として保有したいということです。
産業は製造業をフルに稼働するのが一番です。
製鉄業も各地で高炉の操業がやりづらくなる中、平気でガンガン動かして周辺国の製造分を請け負うまでやります。
また、東大阪や堺などの製造業の中小企業を再育成、技術者を親方制度でどんどんと増やします。
一方、農林水産業などはまったく不可能なので、食糧は完全に輸入頼りです。
さらに、各国との外交は昔からの大阪商人の伝統を生かし、日本政府のような外交下手を尻目にしたたかに生きていくことが可能です。
なお、国語は大阪語、学校では積極的に漫才を教えるそうです。
何か、本当にできそうな気になります。