爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

トランプ問題、多様性尊重の拒絶

多様性を尊重するということは、かつての集団生活が崩壊し世界中が様々な人々の混在化が進む上では避けられないことであるはずです。

しかしいつ頃あったことかもはっきりとは示せないような「均一集団」の世の中を是とする人間が存在し、彼らが多様性尊重の指向を否定することがしばしば見られます。

 

トランプもその一種のようで、自分の信じる性状、信条と同一の集団のみを認める方向に行きたがるようです。

 

多様性とは、人種、性別、年齢、障害の有無、性的指向、宗教などの様々な要件についてその区別はされたとしてもそれによって差別はされないこと、そしてその否定をして一つの価値観に統一するようなことはしないこと、そういったことを認めるということです。

 

しかしすでにトランプは大統領就任後に「性別は男女のみとする」ということを何と大統領令で発表しました。

これは性的指向でLGBTQを認めないということを表明したものであり、これまでのそういった少数者に対する差別の緩和という方向を完全に逆転させたものです。

 

おそらく、アメリカ社会の暗部ともいうべき人種差別の是正に対してこれまで払ってきた努力もそのうちに逆転させることでしょう。

宗教差別も当然考えられることで、イスラム教などが標的にされそうです。

 

今回の大統領選で、トランプに投票したのはトランプの「同一集団妄想」を共有している人ばかりでしょうか。

すなわち、白人、異性恋愛指向、健常者、キリスト教プロテスタント)といったものですが、それだけでアメリカ全体の投票数の過半数となることはあり得ません。

おそらくそれには当てはまらない人たちも相当数がトランプに投票したはずですが、彼らはすでにトランプに裏切られていることになります。

今後もトランプ投票者の中から失望する者たちが続出するはずです。

 

こういった問題はトランプ批判だけにとどまらず、日本の政界の有力者たちも同様です。

いや「単一妄想」はトランプよりはるかに日本の権力者たちの方がひどいかもしれません。

とてもトランプを批判などできないのが日本社会の現状でしょう。