爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「力による現状変更は許さない」などと偉そうに言っているけれど。

ロシアによるウクライナ侵攻、そしてそれに続きそうな中国を念頭に、「力による現状変更は許さない」などと岸田首相はじめ日本政府要人が発言をしています。

いかにも、自分たちは理性と知性を持ち合わせていますといった風な姿勢に見えますが、そこには多くの問題点がありそうです。

 

まず、「力による現状変更をしたくなるような」現状とはいったい何なのか。

これはもちろんこれまで長い間にアメリカをはじめとする国々が「力を使って」作り上げた体制に他なりません。

最近の大きなところでは、第2次世界大戦で日本・ドイツ・イタリアを破って作り上げ、それにさらに朝鮮戦争共産主義国との境を確定し、ベトナム戦争では押し出されたものの、東南アジア、中近東、東ヨーロッパと次々と戦争をしては作り上げてきた国際秩序でしょう。

それを皆忘れてしまったとでも思っているかのような「力による現状変更は認めない」というお笑い発言です。

 

力によらなければどうやって現状変更を求めれば良いのか。

これをスパイ活動や謀略でやっているらしいのがアメリカCIAでしょう。

南米の各国での政変、ウクライナでも前大統領の追放、中近東の政変など多くのものに関わっていると言われています。

NATOの領域をどんどんと進めていきウクライナにまで及ぼそうとしたのは、決して「力によらない」と胸を張れるものではないでしょう。

さらに途上国にとっては現状は先進国にばかり有利な体制であるというのが現実であり、その変更を求めるのも当然だという状況もあります。

ところがその手段として「話し合い」などと言うものが機能しているという実情は全くありません。

結局は「現状変更は認めない」と言うに等しいのが先進国の態度だと見られているわけです。

そのような中で軍事力を増しているのが中国や北朝鮮、イランといった国々で、彼らも体制変更の話し合いというものが機能するのならそこまで無理をする必要もありません。

北朝鮮の人民もミサイルよりも食料が欲しいはずです。

 

いつまでも世界を牛耳っていたいというのがアメリカを中心とする先進国の姿勢であるのなら、そのような「現状」など変更してもらいたいというのが多くの国々でしょう。

その手段が何もなければ軍事力を使ってでもというのは、困ったことではありますが、必ずしもそれらの国だけの責任とも言えないものです。

何もかも「アメリカ様の言う通り」という日本の態度は世界の国々に広めることはできません。

アメリカ様のやること」も少しは変えるように日本も考えていくことが必要なのではないでしょうか。