爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

資源戦争でも中国がアメリカを倒すか。田中宇さんの「国際ニュース解説」より。

非常に深い読みをしている田中宇さんが書かれている「国際ニュース解説」で資源獲得競争で中国がアメリカを上回りつつあるという解説です。

tanakanews.com

ウクライナ戦争ではアメリカが主導するロシア制裁にヨーロッパや日本は従うもののそれ以外の国はどうやらあまり実施していないようです。

 

そこにさらに中国が電力化に不可欠なレアメタルなどの資源の獲得を強めています。

リチウムの産出国であるチリやアフガニスタンと中国との関係が深まっているようです。

その他のレアメタルであるマンガン、ニッケル、コバルトなども中国を始めとする非米側の国の産出が多いのですが、欧米側が電気自動車化を進めようとするほど資源産出国の力が強まることになります。

 

ヨーロッパ主導の動きが強かった電気自動車化ですが、アメリカも自国産業保護の動きを強めています。

しかし製造や組み立てばかりを自国内で行なおうとしても原材料が入ってこなければどうしようもないはずですがどうなりますか。

 

ロシア産天然ガスのストップでヨーロッパのエネルギー事情は苦しくなりました。

この後は蓄電池原料の制限でさらに欧米側の苦境となるのでしょうか。

 

そもそも中国に工場建設を働きかけ安い労働力を使うことで自国企業の収益を上げさせようとしたのはアメリカだったのですが、技術力をどんどんと向上させもはや自立以上の立場となってしまった中国はアメリカに従う必要もありません。

まさに「現状変更」してしまったことになりますが、それを認めようとしないアメリカとの関係は変わろうとしても変えられないのでしょうか。

 

それにしても、これまでも資源産出は途上国が多かったのですが、それを掘り出して使う権利は現地政権を懐柔して欧米企業が保有してきました。

それで築いてきた欧米先進国の世界制覇体制ですが、それが産出国自身の意識変化により変わってくるということでしょう。

ただし、資源産出国も政治体制はさほど変化するわけでもなく、独裁体制や部族間の抗争といったことをやっているのは変わりないのでしょうから、その国民たちにとっては良いとばかりも言えないことでしょう。

混迷はさらに深まるというところです。