7月11日が世界人口デーだということで、国連から世界人口に関する推計の発表がありました。
それによれば、今年11月には世界人口が80億人に達するということ、そして来年には国別人口でインドが中国を上回り世界1位になるということです。
最近世界人口についての本を読みました。
この本によれば、世界の多くの地域で人口増加の勢いは弱まっておりやがては減少に向かうだろうが、まだしばらくは増加が続くこと、そして地域によっては宗教上や社会的な理念から人口増を積極的に求める風潮も強く残っているということが記されていました。
まさに本の記述通り、まだまだ相当な勢いで人口増が続くということなのでしょう。
ロイター通信の記事によれば今後も人口急増が続く地域は次の通りです。
2050年までの世界の人口増加の半分以上がインドを含む8カ国に集中する見通しとし、出生率の高さと経済成長のバランスの問題も指摘した。残り7カ国はアフリカのコンゴ(旧ザイール)、タンザニア、エチオピア、ナイジェリアやエジプトのほか、アジアのパキスタンとフィリピン。
これも上記のワイズマン氏の本で描かれ、著者が現地入りし詳細な取材を重ねていた地域と重なります。
現在でもこういった地域の大部分は少々の食料不安でも飢餓が蔓延することが多いのですが、それが今後も続きさらに拡大していくということでしょう。
間違いなく、世界の不安定さを増幅するような原因となるようです。
人口増の一番の危機は食料問題にあります。
食料生産はそれほど余裕を持つことができず、何か事情があればすぐに飢饉の発生につながります。
世界でも有数の穀倉地帯で起きたウクライナ侵攻のため、世界的に食糧不足に陥っていますが、これは他の食料生産地でも起こり得る事態であり、その度に食糧危機となるのでしょう。
日本では少子化が大問題であるかのように言われ、「日本は無くなる」などと言う言葉に踊らされていますが、実際には「人口を徐々に減らす」(あくまでも平和的に)ということの世界でも「最先進国」です。
これは誇りに思っても良いことだと言えるでしょう。
(なお、飢饉や戦争で人口を急激に減らし、果ては滅亡した国はいくらでもあります)
さらに、「経済成長」だけが正義だと勘違いしている世界各国に対し、「経済定常化」という素晴らしいモデルを20年以上も提示し続けたという意味でも世界に誇ってもよい「持続可能性」を描いてきたのが日本です。
これをさらに進めるべきなのに、まだ「経済成長」などと言う世迷言を言う連中ばかりが議員となりました。
間違った方向に進みそうです。