爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

少子化対策よりやるべきは食料対策

こどもの日ということもあり、出生数の減少やら子供の数の減少などが盛んに語られ、少子化対策の必要性が叫ばれます。

 

このままいけば何年には人口半減などと言われますが、この「このままいけば」という言い方ほどいい加減なものはありません。

現在の比率がそのまま続くというのはあまりにも単純すぎる考えですが、それ以上の要素を考えることもできないのでしょう。

 

人口減少の問題点というものとして、年金などの制度上のものがまず出されますが、そんなものは制度を徐々に見直して変えていかなければならなかったのに、何もしようともしなかったのが問題であるだけで、そんなことのために人口を増やせなどというのは暴論としか言えません。

 

人口が減ると経済も力を失うなどと言うのも、これまでの経済成長の負の側面をまったく見ることのできない論議です。

そもそも、経済成長自体が人口増で水増しされていたことが明らかにされるということを示しています。

 

そのような人口増を支えてきたのが食糧増産の緑の革命だったのですが、それはあくまでもエネルギーに支えられたこれも「水増し」「バブル」農業あってこそのものであり、それがいつまでも続くとは限りません。

エネルギー供給に不安が出ているからこそ現在の混迷があるのですが、それが農業に直結しているということも考えることができない人が多いようです。

 

世界のグローバル経済というものもいつまでも続くわけはないとは思いますが、それから来るのが国際分業体制、強いところが得意なものを生産し自由貿易で分配するというもので、農業生産が強いところは農業、工業などもそういった考えで配置すれば良いというものです。

しかしそれが成り立つのはあくまでも世界が平和に協調できる時代だけであり、戦争の時代となったらそんなものは吹っ飛びます。

食料もエネルギーも無い日本がどうやって生き延びるか、非常に厳しいことになるのは間違いなく、「経済成長のために人口増」などと言うことを言う余裕も無くなるでしょう。

 

そこを考えるのが、本当の「日本の安全保障」であるはずで、おもちゃのような時代遅れ兵器の爆買いなどをしている余裕は全く無いはずです。