八代市立博物館「未来の森ミュージアム」で開催されている「ある商家のコレクション」という展示を見てきました。
それほど名のある展示品が出るということも無いので、平日と言うこともあり誰も観客も居ませんでしたが、ゆっくりと楽しむことができました。
平岡家という、八代で江戸期から明治にかけて栄えた商家の書画や袱紗、幟旗などのコレクションが博物館に寄贈されたとのことでの展示だそうです。
八代は戦国時代にも商業が起こりましたが、江戸時代には長崎からの物品の中継でかなり栄えた町で、商人も豪商と言える人々が数多く出ました。
この平岡家もそのうちの一人で、参考までに出品されていた仕切状(取引明細)によれば椎茸5.5トンを売りその代金として金2330両(約3億円)を受け取ったそうです。
こちらは最初の書画の方ですが、細川藩の絵師や長崎在住の中国人画家に書いて貰ったというものや、熊本藩主細川重賢の書などかなりのものが見られます。
袱紗、旗といったものも、当時の最高級品であるらしく、細かな細工が施され、かなり値が張ったであろうことが、素人でも分かるようなものとなっていました。
今となっては町自体の繫栄も夢だったかのようになっていますが、辛うじて11月の八代妙見祭でそのわずかな残り香を楽しめるだけです。