インターネットでのトラブルは頻発しています。
誹謗中傷、名誉毀損、営業妨害、などから商標権侵害や知的財産不正使用などいつでもどこでも起こりそうなものです。
ネットは匿名ではないなどと不法行為に対する歯止めの主張はされていますが、もしも被害を受けた場合に実際に差し止めや損害請求をしようとすれば大変な手間がかかりそうです。
この本はそういった事態が起きた場合の具体的な対策、手続きなどを、「非常に具体的に」解説されたものです。
請求相手の特定や、申し立てのやり方、提出書類の書式など、特に企業の実務者が基礎的知識として備えているべき内容となっています。
ということで、あまり読んで楽しいとか、素人でも参考になるといった本ではありませんでした。
法的対処の基本ということで、そもそもインターネットとは何かといったところから解説が始められています。
また関係法令、権利侵害の種類、発信者特定後の法的権利行使など、実務者としては知らなければならないでしょう。
具体的な対策マニュアルも記述されています。
まず「基本的な姿勢と心構え」から始まります。
これも実務者としては重要なことでしょう。
まず、「ウェブページの証拠化と証拠の保全」をしなければ。
これがおろそかだと裁判もできません。
どこに対して請求をするのか、「サイト管理者」「アクセスプロバイダ」がどのように関わり、どこに発信者特定を請求するかも見極めなければなりません。
発信者を特定したら、民事上の損害賠償請求か、刑事告訴かといったことになるのでしょう。
そんなわけで、この本は一般消費者などとの関係も深いような企業の実務担当者が目を通しもしもの時のために一冊備えておくべき本ということでした。