横浜港で足止めされたままのクルーズ船で感染者が急増しており大きな問題となっていますが、乗客乗員がまだ3500人以上残っており、その人たちのウイルス検査をするかどうかでもめているようです。
ウイルス検査と言っても、インフルエンザのように簡易検査キットが揃っているわけではなく、コロナウイルスに特有の遺伝子があるかどうかを調べなければならず、その検査機械と必要な試薬が不足するのではないかと危惧されています。
この特有の遺伝子配列があるかどうかを調べるのに使われるのが「PCR」という方法です。
PCRはPolymerase Chain Reaction (ポリメラーゼ連鎖反応)の頭文字であり、
DNAは細胞増殖の際に「同じ遺伝子を複製する」ことによって同一性を保つという巧妙な働きがあるのですが、その遺伝子複製を上手く使った方法です。
この説明は、タカラバイオが詳細な説明書を作っていますので、それを見てもらった方がはるかに分かりやすいでしょう。
ちなみに、タカラバイオでは新型コロナウイルス検出用の試薬も作成済みで、その注文が急増しているようです。
http://www.takara-bio.co.jp/kensa/pdfs/book_1.pdf
この説明文にもあるように、PCRで検査するためには遺伝子増幅装置、対象となる遺伝子を特定できる試薬、反応させるための酵素などが必要です。
新型コロナウイルスを特定できる試薬というものは、すでに検討され実用化されています。
それを使って検査が進められているわけです。
http://ngrl.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/01/Novel-Coronavirus-nCoV_Real-time-RT-PCR-Assay.pdf
なお、PCR検査体制が問題ということで、検査可能数がギリギリという政府の発表もありましたが、どうやら政府管轄の感染症研究所や国立衛生研究所などだけを使うというつもりのようです。
民間でも検査ができるところはいくらでもあるはずですので、そちらを緊急処置で使用すればかなり検査数の増加は可能ではないでしょうか。
ただし、機械はあっても試薬が揃うかどうかは分かりません。
緊急で増産対応はしているでしょうが、しばらくは切迫してくるでしょう。