爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「PCR検査をすり抜ける」という表現はちょっと大げさでは、ブルターニュ変異株

フランスのブルターニュ地方から発生したとみられる、新型コロナウイルスの変異株が広がっているそうです。

 

ただし、昨日の報道などではどこも「PCR検査をすり抜ける」という表現を使っていました。

www.asahi.com

しかし、その実態は以下の記事の方が正確であり、「通常のPCR検査用の検体採取法として使われる”鼻からの検体採取”では引っかからず、「血液や気管の奥の粘液を使えばPCR検査でウイルス確認ができた」ということですので、ウイルスの存在場所が少し変化したということでしょう。

www.afpbb.com

これを「PCR検査をすり抜ける」とはちょっと表現が大げさすぎます。

 

実は、「変異株がPCR検査で検出されない」事態も遺伝子変異の大きさや起きる箇所によっては起こりえることです。

現在のPCR検査のキットで、目標とする遺伝子のある部分を切断して増幅するのですが、その場所に変異が起きたとするともはやそのキットでは思うような遺伝子増幅はできないこととなります。

このようなことが起きた場合は「PCR検査をすり抜けた」と言えるでしょうが、検査用検体の採取方法が変わった場合はそうは言ってほしくないところです。

 

しかし、鼻からの検体採取のような簡便法では見つからないというのは、検査実施のためには重大な問題であり、おそらく血液や気管の奥からの採取は医師でなければできないでしょうから、検査の数も制限されてくるでしょう。

 

いやはや、もともとやっかいなウイルスですが、さらにやっかいな変異が起きているようです。