田中宇さんの「国際ニュース解説」では、「新型コロナウイルス」の存在自体を疑うような記述がされています。
世界全体が疑うこともせずに一方向に進んでいる時にそれを見直すということも勇気あることだと思います。
記事は、徳島大学名誉教授という大橋眞さんが精力的に発信している「大橋眞学びラウンジ」というものを基に書かれています。
ただし、田中さん自身は大橋さんの主張に多くは同意しているものの一応の結論であった「新型コロナウイルスは存在せず、他のウイルス等の遺伝子のキメラである」ということには賛同していないようです。
また、その後各国で感染を引き起こしているウイルスの分離と遺伝子解析が成功しており、結局はキメラではなくウイルスの実体が存在するということで、大橋さんも主張を変更しているようです。
ただし、中国発の「新型コロナウイルスのDNA配列」なる発表はその手法に疑問の余地を残すものであり、今回は上手く行ったものの間違える危険性が大きいものとしています。
新型コロナの感染者を判定するために世界的に行われているPCR検査は、感染が疑われる人の気道の体液の中に「基準となる新型コロナウイルスの遺伝子配列」と同じ配列の遺伝子があるかどうかを測定する。この「基準となる遺伝子配列」として世界的に、中国の研究者たちが今年1月末に医学雑誌ネイチャーで発表した論文(A new coronavirus associated with human respiratory disease in China。以下「中国論文」)に載せた遺伝子配列が使われている。この論文に載った遺伝子配列が、新型コロナを判定する世界的な基準として使われている。 (A new coronavirus associated with human respiratory disease in China)
現在行われている、新型コロナウイルス検査の方法であるPCR検査の基準として使われている、中国での研究によって得られた遺伝子配列というものは、実はウイルスを分離しその病原性を確認したうえで遺伝子を決定するという、感染症研究の基本を取らず、「ショットガン・シーケンス」という方法によっています。
これは、患者の体内に偏在している多くの常在ウイルスや細菌などのDNA情報が混入する危険性もあり、完全に正確な遺伝子情報を得るには不十分であるというのが大橋さんの主張です。
このような危険性は十分に考えられるものですが、今回は「運よく」対象とするウイルスに行き当たったらしく、その後オーストラリアで分離されたウイルスの遺伝子配列が、中国発表のものとほぼ同一であったということで、間違いはなかったのだろうということになりました。
もう一点、PCR検査法の弱点である「あまりにも敏感すぎる」点についても、大橋氏が指摘しているようです。
またPCR検査が、気道の細胞の表面に付着しているだけで細胞内に入り込んでいないウイルス、くっついているだけで感染していないウイルスにも陽性反応を出してしまう点も、大橋氏は指摘している。これは「ウイルスを体内(気道内)に吸い込んでも感染しない人が人類の6-8割いる」という、私が以前の記事に書いたこととも重なる。大半の人は、新型コロナに感染しない。すでに持っている自然免疫の力で撃退(細胞への侵入を拒否)する。だが、撃退される前の、気道に付着しただけの新型コロナのウイルスをPCR検査が感知して陽性反応を出し、当局から感染者として扱われてしまう。
つまり、ほんのわずかなウイルスであっても検出できるために、気道の中に入っていてもまだ細胞内に入り込めないウイルスまで反応して「陽性」となってしまうことがあるのではないか、そしてそれが自然に排出されれば感染せずに終わってしまう。
という「無症状感染者?」が多いのではという指摘です。
これが正しければ、「陽性から陰性になってもまた再陽性になる」ということも起こります。
こういったことも起きる可能性があるでしょう。
検査法自体に疑問を抱くということは、何でもお仕着せのもので片づけるだけが仕事と考えている人にはできないことかもしれません。
それにしても、田中さんは政経関係のジャーナリスト出身ということですが、このような医学関係の技術論までよく考えていることには驚きます。