爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

日本人の個人名について雑感 その1

個人名、いわゆる「下の名前」、氏姓ではなく一人ひとりの名前の方ですが、少々思うところがありますので、まとめておきます。

 

1.序

2.歴史的流れ

3.最近の流行

4.「大切な我が子には世界でただ一つの名前がつけたい」

 

 

1.序

 えらく構えた表題をつけましたが、別にそれほど詳しく実例を調査研究したということもなく、様々な本を読んだりテレビ報道などに出てきた人たちの名前を見たりして感じたことを書いてやろうというだけの話です。

したがって、それほど内容に厳密性はなく、単なる個人の感想です。(なんか、健康食品のCMみたいですが)

 

我が家で購読している新聞は県内限定の地方新聞で、東京近辺などで全国向け新聞を見ている人には信じられないかもしれませんが、「訃報欄」という記事があります。

これは県内で亡くなった方の名前などを掲載するという、とんでもないもので、最近の風潮では信じられないかもしれませんが、昔の感覚では「田舎暮らしには無くてはならない」ものでした。

とはいえ、さすがに最近では掲載を断る遺族も多くなったようです。

 

それはさておき、そこには亡くなった方のお名前と年齢、住所まで書いてあるのですが、高齢者がほとんどの中に時たま若い方が出ていることがありますが、その場合には年齢を見る前に「名前で若いと分かってしまう」ことがしばしばです。

 

特に女性で分かりやすいのですが、90歳くらいの方々では「カタカナ名」が非常に多い。

その中に、漢字2字が多いのですがその最後に「子」がついた名前になるとやはり70歳以下の方が多いように感じます。

さらに、訃報欄にはあまり出てきませんが、40歳より若くなるとまた「子」の字が消えてしまう。

 

どうも日本では、個人名の付け方には強力な「流行」が作用しているようです。

 

それに比べて欧米では、中世に居た王様の名前(たとえばチャールズ)がそのまま現在おイギリス皇太子の名前でもあります。

またイスラム圏では預言者ムハンマドマホメッド)の名が現在でも多く付けられています。

日本では、どうやら少し前の年代でも20年、最近では5年から10年で名付けの流行がコロコロ変わっているように感じられます。

 

それはなぜか、などと言ってもその原因が究明できるとは思っていませんが、少し整理できたらということで進めます。

 

2.歴史的流れ

歴史的とはいっても、あまりさかのぼっても仕方ないので大正くらいまで。

 

まずは男子名から。

あるサイトにまとめられていた、1915年からのベストテンの表です。

明治生命の調査をもとに作られたそうです。

 

生まれ年別名前ベスト10 (男の子)

その表が次のようなものです。

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1975年までは5年おき、その後は毎年ということでちょっと見づらいですが、まあかつてはそれほど年によって変化は少ないので良かったのでしょう。

 

1950年代までは漢字一字名が非常に多いことが分かります。

それ以降は、1980年から86年までは大輔が1位、今40歳から35歳くらいの人でしょうか。

1990年からは翔太が優勢となります。

 

次に女子名、同じサイトから引用させていただきます。

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1915年にはまだ「カタカナ名」が残っています。

その後は「子」のついた名前がしばらく優勢となっています。

それが激変するのが、男子名と同様に1980年頃からのようです。

子の付く名前はほとんど無くなり、最後に「美」とか「香」のつく名前が多くなります。

 

とはいえ、ここに載せた2000年くらいまではまだかつての傾向が続いていたころと言えるかもしれません。

その後、現在までに名付けの傾向は大きく変わってしまいました。

 

なお、私的なものですが名付けエピソードを一つ。

私の父親は1915年生まれ、ちょうどこの表の最初の年でした。

田舎のまあそこそこ裕福な家の生まれでしたが、誕生の時に親戚の面々が集まり名付けについて相談したそうです。

(以下、もう関係者はすべて死去していますので実名で記載します)

(なお、方言は脚色しており父の故郷の言葉ではありません)

 

「こん子の名前はどうすべえ」

「爺様が”熊太郎”、父親が”儀一”だで、”儀太郎”あたりでよかっぺ」

「んだな」

で決まりかかったのですが、父親(私の祖父の儀一さん)が「それじゃ古くせえで違うのにする」と頑張り、「博にすべえ」ということで漢字一字名の「博」になりました。

田舎の村ではハイカラな名前と思ったのでしょうが、全国統計ではすでに漢字一字名が優勢だったようです。

なお、もしも父が「儀太郎」と名付けられていたら、私もかなり違った傾向の名前となったと思います。

(その2に続く、書く元気が出たらですけど)