毎日新聞のオピニオン欄「時代の風」で藻谷浩介さんが森友学園問題を巡る国会審議について、非常に分かりやすい指摘をされています。
読めなくなるかもしれないので、ちょっと長めに引用します。
一部の与党議員や評論家が繰り返す「首相は知らなかったし、指示も出していないので責任はない」という議論のおかしさを、改めて指摘しておきたい。
「部下の不正行為はトップの責任」というのが世界に共通する常識だ。「悪いのは勝手に忖度した部下だ」と唱えるほど、「そんな部下に辞めろと指示を出すことこそトップの仕事」と世界は思うわけで、政権の開き直りは日本の国家ブランドをどんどん毀損している。
非常に、まともな正論です。
私もかなり以前から主張していましたが、「安倍首相のやるべきことはそのように勝手に忖度した官僚を追放するべきであり、それで安倍は歴史に残る名宰相となるであろう」と思っていました。
絶対にできないことは分かっていましたが。
国会での野党の質問内容にも苦言を呈しています。
「知らなかった」「知らなかったはずがない」の応酬をいつまで続けるのか。「仮に知らなかったのであれば、そちらの方が問題だ」という俯瞰した視点から指摘する声がなぜ出ないのだろう。
これも当然の話です。それが政権の責任でしょう。
なお、主な主張からは少し外れますが、「アベノミクスでの雇用増250万人と言われているが、そのうち211万人は65歳以上」というのには驚きました。
また、64歳以下でも女性が109万人増、男性は70万人減の計39万人増だとか。
当然ながら、この増加分はほとんどが非正規雇用でしょう。
こんな程度の論議をされて、すぐに反論もできないのが野党の実力なんでしょうか。
藻谷浩介さん、注目していきたいと思わせるものでした。
一部の与党議員や評論家が繰り返す「首相は知らなかったし、指示も出していないので、責任はない」という議論のおかしさを、改めて指摘しておきたい。
行政府の長でありながら、自分の配偶者の名前を振りかざす怪しげな相手と行政機関の取引について知らなかったというのは、知っていた以上に責任を問われる問題である。「部下の不正行為はトップの責任」「情報が上がってこないトップは監督者として怠慢」というのが、世界に共通する常識だ。「悪いのは勝手にそんたくした部下だ」と唱えるほど、「そんな部下にやめろと指示を出すことこそトップの仕事」と世界は思うわけで、政権の開き直りは日本の国家ブランドをどんどん毀損(きそん)している。