爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「PLAY ON!日本ラグビーのゆくえ」日本ラグビー狂会編・著

日本ラグビー狂会とは、もちろん日本ラグビー協会をもじったものですが、ラグビー好きのライターが集まっていろいろとラグビーについて批判をしたり提言をしたりという活動をされている集団のようで、他にも何冊かの本が出版されています。
私もラグビーは見るのだけは好きなので面白く読めましたが、いろいろな事情はよくわかりませんのでこの本の真の価値というものが分かるところまでは達していないと思います。
事情に少しは詳しい方らしき人の書評はSPORTSMAN2.0というところにあり、http://d.hatena.ne.jp/gomanjp/20110921/1316561743 こちらの方が参考にはなるかもしれません。
ここはとにかく個人的な感想だけに留めておきましょう。

本書は2005年の出版で、2011年ラグビーワールドカップ招致が敗北したという時期のものです。それは日本のラグビーの戦力が伴わないという理由ばかりではないでしょうが、やはりそれも一因ということでしょうか。
かといってその後の経過を見ると2019年のワールドカップ開催が決定していますが、そこまで強くなったのかどうかは不明ですから、開催招致からは何も言えないのですが、本書ではそれは戦力も含め日本のラグビー界全体の力の無さと捉えています。

この本の中では8人の人がそれぞれラグビーの種々の方向からの批評を加えていますが、その妥当性は良く分からないものの極めて明快な口調で一刀両断といった感じです。内容が正しければ良いのですがそうでなければお笑いですが、どうなんでしょうか。
内容は、日本代表について、協会中枢部の運営について、高校ラグビー指導者について、大学の名門(特に早明)について、そしてラグビーのルールについてといったものになります。
特に最初の方の章で日本ラグビー協会の首脳陣と当時の監督などについての批判は激しいものがあります。それが戦力アップにつながらない主因といった言い方ですが、これも本当かどうかはわかりません。

私自身もラグビーは見るだけファンを数十年続けているとはいえ、その主として見たものはやはり大学ラグビーが専らでした。その意味では本書の中ほどの早稲田明治の現状というところが興味引かれるところでしたが、この当時はまだ早稲田はマシと言えるものも明治はすでに衰退してきていました。現在では打って変わって帝京の黄金時代になっていますが、ラグビー狂会近著はあるんでしょうか。

なお、これだけ見ていてもまだルールは完全に判っているとは言えない状況ですが、最終章ではラグビールールに関するあれこれを扱われています。それによると、ルールの変更というものがラグビー界では非常に頻繁であり、しかも大きな点で変わることが良くあるそうです。しかし、それをルールブックの新刊で常にチェックし確認するということが関係者の間でもなかなか徹底されておらず、中には試合で笛を吹くような人でも変更点を知らないという例もあるとか。ましてや普通のチームでは曖昧なルール解釈のままなんとなく続けているということが良くあるようで、こんなことではいけないよというのがその章の著者の意見でした。
いまだにラグビーのテレビ中継では「副音声ではルール解説をしています」といった放送がありますが、ラグビーのルールというものは普及にはネックでしょう。
特に、いろいろな面でのオフサイドの理解というのはプレイヤーやチーム指導者でも間違えている人が多いというのが著者の指摘ですが(審判にも居るとか)、そんなんで良くやっているねというのが素朴な感想です。

まあ細かいことを気にしだすと止まらないのでしょうが、馬鹿でかい男たち(最近は女子ラグビーも増えているとか)がぶつかり合う迫力を見るだけでも相当なものです。日本開催のワールドカップでは当地熊本も会場に選ばれましたので、今から楽しみにしています。入場料はかなり高くなるという予想ですが、今から貯金でもしておきましょうか。