爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「蛇行河川の謎 谷は海がつくった」高橋雅紀著

地質学者の高橋さんは、デービスの地形輪廻説に異議を唱え、これまでにも「準平原の謎」「分水嶺の謎」という著書を書いていますが、その第3弾がこの「蛇行河川の謎」となります。

デービスの説は陸地の隆起は緩やかであり、それに対し河川の浸食が激しくそれで徐々に山地が作られやがて準平原という地形に戻るというものです。

しかし高橋さんが詳しく日本の地形を分析していくとそれでは説明できないところが数多く、それを説明するためには多くの地形がかつては海底であったことを考える必要があるとしています。

 

この第3作では、主に「蛇行河川」についての解析がされています。

河川は多くが蛇行していますが、これは水流により河川の側方が徐々に浸食されて蛇行が強くなっていくということから生まれています。

確かにその側面はあるものの、全てがそうだとは言えないというのが著者の主張です。

それでは説明のできない現象があちこちにあり、それを説明するためにははるか昔にその場所が海底にあり、河川の流量による浸食よりはるかに強い海流の浸食ででき、その後地盤が隆起したと考えればそれが説明できるということです。

 

本著ではこの蛇行河川に関連し、さらに「還流丘陵」「貫通丘陵」「先行谷」と呼ばれる地形についても国内の多くの地形例を挙げています。

いずれもあまりにも不自然な説明がこれまではされてきたと言えるということです。

 

最後に川の上流部に特によく見られる巨岩についても疑問を呈しています。

大雨による洪水の時にそういった巨岩が上流から流されてきたと説明されていますが、どうもかなり激しい大雨があっても、小石以下のものは流れていきますが、巨岩、巨石といったものはいつまでもそこに止まっています。

河川の流量程度ではあのような巨大な岩は動かないのではないか。

そしてそれらの巨石がその位置に置かれたのも昔の海底だった当時ではないかという推測です。

 

どうやら日本のような非常に隆起速度の速い地盤を持つところでは地形輪廻説は成り立たないということのようです。