爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

ノセボ効果、野良猫通信で畝山智香子さんが解説。

プラセボ効果(偽薬効果)というのは有名でしょうが、それと対する概念の「ノセボ効果」について、FOOCOM.NETの野良猫通信で畝山智香子さんが解説していました。

foocom.net

プラセボ効果とは、何も有効成分の入っていないものでも体に良いと医師などに処方されると効果が表れるというもので、医薬品の開発の際にはこれを避けるために二重盲検法という試験法を取らなければならないというほど影響の大きなものです。

 

そしてノセボ効果というのはその逆の作用ですが、原因は同じように「思い込み」によるものです。

食品などに入っている成分が有害だと言われると実際に体調不良が起きてしまうという現象に現れてきます。

 

欧米ではグルテン過敏症という症状が猛威をふるって?おり、自分はそうだと信じ込んだ人が多くなっています。

ただし、このノセボ効果の影響が強い場合もかなりあるようです。

それを実験で検証した例が紹介されていました。

 

カナダの大学の研究者が、過敏性腸症候群の18歳以上の患者で、グルテンフリー食を食べると症状が改善すると申告した人を集めて、小麦、グルテン、どちらも含まないの3種の食事をして症状が出るかどうかを見たというものですが、二重盲検法でどれがその食事であるかを分からないようにしたということです。

すると多くの患者でグルテンも小麦も含まない食事を摂った場合でも症状が悪化しました。

つまり、ノセボ効果による症状である可能性が強いということです。

 

食事の影響については心理的なものが強いのは当然ですが、それが強すぎるのも困ったものです。

実際に上記の実験が終了した後に被験者の患者に医師がそう伝えても、彼らはそれを認めようとはしなかったということです。

 

グルテンだけでなく多くの成分が人体に悪影響があるかのように言われ、それに影響された人たちがノセボ効果により「本当に体調が悪くなる」ことがあります。

「何々は体に良い」という言説で高い健康食品を買わされるのも、「何々が体に悪い」と言われて食べるものが狭められるのも、困った現象でしょう。