著者の近藤さんは毎日新聞の記者としてスタートし長年その道で活躍してきたそうです。
新聞記者は記事を書くのが大変でしょうと人から言われたことがあったそうですが、実際には「書くこと」よりもその前に「人の話を聞く」ことの方がはるかに重要で大変だったそうです。
人の真意を探らなければ本当に良い記事は書けません。
かといって、ストレートにそれを質問しても相手は答えてくれません。
それを聞き出すためにどうすればよいのか。
そこが肝心のところです。
ただし、この本はそういった方法を教えてくれるという内容ではありません。
著者が長年、いろいろな事件などに絡んで多くの人と接し、その人たちと心を通わせて話を聞きだしたという実例がつづられています。
まあ、自慢話のようでもありますが、何らかの参考にはなるかもしれません。
いろいろと良い例、悪い例が掲げられていますが、一つだけ一番参考になったこと。
よくインタビューの場面で「あなたにとって〇〇とは」と聞く場面は目にします。
相手がマラソン選手の場合に「ではあなたにとって走ることとは」などと聞くインタビュアーがいます。
質問する人にとっては”ここは大事なところ、ぜひ聞いておかなければ”という気持ちだということは分かります。
しかし聞かれる相手にとっては良い答を返してくれる人もいますが、逆に機嫌を悪くする人も多いようです。
「今さらそんなことを」と思う人もおり、「一言で答えられるわけないでしょ」とか「愚にもつかないことを聞くな」と感じる人も多いようです。
こういった質問をすると、なにかよほど高級な質問をしたような気になる場合もあるようです。
自分自身に問いかけてそれが成り立つかどうか。
「あなたにとって新聞記者とは何ですか」と聞かれたら答えようがないということです。
テレビなどで見ていて「このインタビュアー下手だな」と思うことはありますが、自分がやってみたらと思えば、上手にできるはずもありません。
それをずっと極めてきた近藤さんの実例を見れば、参考になることもあるかもしれませんが、もう私には今さら無理な話です。
