爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「外国人が見た 幕末明治の仰天ニッポン」ロム・インターナショナル著

幕末以降、外国人が様々な目的で来日し、そこで発見したものを書き残しました。

彼らがどのようなことに驚いたのか、また感嘆したり、嫌悪したり、そういったことをまとめています。

現代日本人はもはやその当時の欧米人の方に意識が近くなっているようで、その驚かされた日本の様子より驚いた外国人の方に共感できるようです。

 

なお、各項目の後にはそこで引用された文章を書いた人々の略歴が簡単に紹介されていますが、「マシュー・カルブレイス・ペリー」と書かれていてもすぐには分かりませんでしたが、あの黒船のペリーでした。

 

中には幕末だけでなく江戸時代以前の人も一部あり、ザビエルやヴァリニャーノなども紹介されていますが、さすがに江戸時代以前や江戸初期の日本というのはそれ以降と比べてもかなり違いがはっきりとしているようです。

 

明治初期に来日し東京帝国大学で教鞭をとったチェンバレンは、日本の結婚制度について両家の間で取り決められ本人の意志は通らないと書いています。

まあ、これも日本だけの特異な状況であるはずもなく、世界ではそちらの方が主流だったのではと思いますが、日本でもこのような見合い結婚が主流となったのは江戸時代がピークとされています。

 

日本にやってきて当時の食事を供された人々はいずれも「量が少なくままごとのようだ」と書いています。

男性ばかりでなく、アメリカの女流作家、エリザ・ルーモア・シドモアも「日本の御馳走は不条理なほど少量で、一人前がお人形さんのような食事です」と嘆いています。

日米和親条約のために来日したペリー一行には幕府の総力を挙げた公式な饗応をしており、料理の内容を記した文献も残っています。

江戸の高級料亭「百川」による最高級の献立でおそらく500人分で2000両(現在の価値で1億2000万円)ほどであったと考えられますが、ペリーは感想を詳細に残しており、まったく評価していません。

 

現在の日本人から見ても仰天という様子だったようです。