人生を乗り切っていくには非認知能力と言われるものが必要だと言われます。
認知能力というものが、学校で教えられるような知識などであるのに対し、「社会情動的スキル」とも呼ばれる非認知能力というものがなければ人間関係をうまく築いたり、困難に立ち向かえないと考えられます。
このような非認知能力というものについては様々な研究が行われていますが、本書ではOECDが2015年に発表した社会情動的スキルの分類に基づいて9種に分類しています。
それが、忍耐力、自己抑制、目標への情熱、社交性、敬意、思いやり、自尊心、楽観性、自信です。
そして著者はこの一つ一つについて古今東西の絵本の中からその育成にふさわしいものを選び推薦しています。
なお、どうもその根拠というものは著者の独断のようで、もしかしたら「それは違うだろ」というものが無いとも限りませんが、絵本界というものに全く無縁な私には判断ができませんでした。
かなり古い絵本なども取り上げられており、私自身が読んだようなものも、私の子どもが幼児時代に読んだようなものも含まれています。
「忍耐力を育む」で挙げられている「ノンタンがんばるもん」や「ウォーリーを探せ」は見覚えがあります。
「社交性をはぐくむ」の「おばけのバーバパパ」、「思いやりをはぐくむ」の「はらぺこあおむし」も。
ただし、他の大部分は聞いた覚えもありませんので新しいものなのでしょうか。
最後に親として子供に絵本をどう与えるかということも描かれています。
やはり最初は絵本を読んで、スキンシップを取り入れるという方法が良いようです。
子どもたちの子ども、つまり孫がちょうどこういった絵本の対象年齢です。
読んでやる暇があるのかどうか。