爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「宝くじで1億円当たった人の末路」鈴木信行著

「何とかの人の末路」という題で書かれていますが、内容はそれほどその因果関係を検証したというほどのものではないようです。

 

著者は日経ビジネスの副編集長、いろいろなテーマでについてキーパーソンという専門家に聞いた記事をまとめ、日経ビジネスオンラインでコラムとしていた「キーパーソンに聞く」という記事に大幅に加筆修正して本書としたということです。

 

そのため、尋ねる相手「キーパーソン」という人次第かもしれません。

また、その相手も一人だけであり専門家でも見解が違うということは多いのですが、それについても不問にしているようです。

 

したがって、「ちょっとこれは」というものもあるようです。

 

「賃貸派の末路」という記事では不動産コンサルタントの石川貴康という人に聞いたということですが、この人が相当な「持ち家」嫌いのようで賃貸を薦めています。

ただし、「老年になってから賃貸が借りにくくなる」という問題は「ほとんど大丈夫」と言い切っていますが、最近見たテレビ番組でもそれは大きな障害となっているようです。

したがって、その点を軽視した本書の結論、「賃貸の方が良い」も信じすぎない方が良いかもしれません。

 

「キラキラネームの人の末路」では命名研究家という牧野恭仁雄氏という人に聞いていました。

ただしその肩書は怪しいですが結論は極めて常識的です。

キラキラネームは1就職で不利、2仕事でも不利、3名前の奇抜さとは裏腹に没個性的な人格になりやすい、4いじめの標的になりやすい、5受験に不利、6親の虐待を受けやすい、というものです。

まあちょっと言い過ぎ考え過ぎかもしれませんが。

こういった名前を子供に付けるという人は、アウトロー的な親かという印象もあるかもしれませんが、実際にはそうではなく中流以上で大変真面目な人たちが多いということです。

ただし、彼らには共通点があり「自分は個性的ではない」「抑圧された環境で没個性的な人生を余儀なくされた」といった強い無力感を感じていて、それが子供を持った時に噴出してしまうのではないかということです。

 

「ワイシャツの下に何を着るか悩む人の末路」ではデパートの紳士服バイヤーという宮崎俊一さんの話を聞いたのですが、それがかなり話題になったそうです。

この方は欧米のファッションについてはかなり詳しいようです。

日本ではスーツの下に半そでシャツを着ることが特に夏場には多いのですが、そのようなことは欧米ではまともなビジネスマンはしないということ。

このように「ヨーロッパのまともなビジネスマン」の感覚を絶対視した言い方が顕著なようです。

さらに「ワイシャツの下」には何も着ないのが「欧米のまとも」だとも。

これには相当な反対意見があったようです。

それではワイシャツが汗びっしょりになる、とかワイシャツから胸毛や乳首が透けて見えるとか。

これには宮崎さんも意外に思ったようで、「胸毛や乳首が見えることを問題とする意識はヨーロッパにはない」とか。

この辺は日本人の感覚とは相当ずれているようです。

 

まあ結構参考になるようなこともありました。

ちなみに、「宝くじで1億円当たった人」はほぼ例外なく破綻するそうです。