爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

中国を牽制などということが本当にできるのか。

北京オリンピックの外交ボイコット、そしてG7での表明でも現れているように、中国の経済や外交政策に対しての強い警戒感から様々な方策で中国を牽制しようとしています。

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その中心がこれまで数十年にわたって常に「威圧的政策」を取ってきたアメリカだというのが一番のお笑いですが、それはともかく、中国牽制などということが可能かどうか、日本の状況を考えても難しいことは明らかです。

 

中国もその経済力の源泉はアメリカや日本、ヨーロッパなど世界各国への輸出にほとんどあるということは間違いありません。

かつて、一時期の日本がそうであったように「世界の工場」としての立場を最大限に利用し、影響力を強めています。

 

トランプが言っていたように、「中国が製造力を自国に盗み去った」などと言うことはありません。

主にアメリカの大企業が国内生産に見切りをつけて中国へ移転させていったのがこういった状況を生み出したということです。

自業自得とは言え、相手が悪かったということでしょう。

日本のように何でも言うことを聞く国であれば制御も簡単ですが、中国はそうではなかったということです。

 

中国が自国内での消費を強めつつあるとはいえ、現状では世界各国への輸出で利益を出さなければ中国も力を失うでしょう。

日米欧が協力して中国禁輸を行えば中国だけで自立していくことはまだできないでしょう。

しかし、現状では世界の国の方でもそれをやったら潰れるということでしょう。

製造業を壊滅させて低コストでの海外生産に移転してしまった以上、簡単には戻すことはできません。

中国と共倒れの覚悟ならできるかもしれませんが、不可能でしょう。

そこには、環境も人権も無視して低コスト体制を作り出したレアメタル供給産業も中国に独占させてしまったという失策も関与しています。

今、中国のレアメタルが来なければITも脱炭素産業も全く操業不可能です。

 

結局は、何とか中国との妥協点を探っていくしかないのでしょう。

しばらくは、言葉だけは厳しく飛び交いながら経済の方では緊密な協力体制を中国と各国が取っていくということになりそうです。