爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「深掘り!日本の地名」宇田川勝司著

著者の宇田川さんは長年中高で地理を教え、退職後は地理教育のコンサルタントをされているということです。

 

人の住むところ必ず地名というものがありますが、日本では定住して農耕をしてきたためか地名との関係が特に強いようです。

日本人の名字の多くは地名から来ていますが、外国ではあまりそういったことがないようです。

 

地名がどうやって作られたか、自然地形などから来たものもありますが、文化的な歴史からつけられたものもあります。

 

しかし最近の新しく付けられた地名というものは、公募ということもあるもののほとんどは行政機関が付けているようです。

そこには少々問題もあるようです。

 

合併した市町村から文字を取って合成するということも数多く行われています。

これは最近だけでなく以前から行われていました。

東京都大田区の「大田」は大森と蒲田から一文字ずつ。

愛知県蒲郡市は蒲形村と西之郡村から。

静岡県浜岡町は浜松市静岡市にちなんだ合成地名だそうです。

合併前の既存地名の共通文字を足し算したというものもあります。

福島県双葉郡は、それまでの標葉郡と楢葉郡の両方に郡の字があったので、併せて双にしました。

秋田県二ツ井町は、比井野と薄井が合併して両方に井の字が共通していたからだそうです。

 

こういったおかしな地名は、市町村合併にあたってどちらかの名前にしてしまうと吸収されたかのように思われるからということが大きいようです。

そのため、旧地名を残す場合でも漢字を避けてひらがなにしてしまうということもありました。

またどちらかの地名を残すことをしないために、大きすぎる地方名を付けてしまうという例も多く見られます。

四国中央市南九州市奥州市といった名称には再考をもとめる署名なども行なわれたようです。

また幸いにも?実施されなかった名称には、山形県はながさ市、長野県中央アルプス市、愛知県南セントレア市などがあったということです。

 

唱歌・童謡に出てくる場所の特定と言うコーナーもありました。

「春の小川」が渋谷区の河骨川ということは結構有名かもしれません。

他にも、「めだかの学校」が神奈川県小田原市荻窪用水、「雪の降る街を」は山形県鶴岡市、「汽車ポッポ」は静岡県御殿場駅、「赤とんぼ」は兵庫県たつの市だそうです。

 

市町村合併の際の変な名前については私もおかしいと感じていましたが、どうやらこの前の平成大合併の時だけではなく、以前から色々とあったようです。

蒲郡や浜岡もそうだとは思わなかった。