KDDIの何らかの機器の障害で全国に影響が広がり、通話などだけでなく多くの面で被害が出たようです。
説明によれば2日未明に音声をデータにかえる機器で不具合が発生、そこでシステムの崩壊を防ぐために通信量を制限する対応が始まったために影響が波及し全国的な通信障害となったようです。
しかし社会的な影響の大きさというものは大変なもので、JR貨物の輸送も滞ったり、気象観測データの授受ができなくなったり、宅配会社の通信不良で遅れが出たりと、報道されているだけでも多くの社会的な障害が出ています。
おそらく、それ以外でも無数の不具合が生じていることでしょう。
もうかなり前になりますが、東京で電話の地下ケーブルが火災になりその周辺では社会の動きが止まるということがありました。
今回は全国的な障害に広がってしまいましたが、それだけ通信のスケールアップも広がっているということでしょう。
スケールアップするほどに利便性は高まるのですが、逆に何かあった時の被害も格段に大きくなります。
「何かあった時」のリスクを減らすためにはリスクの分散ということが必要となりますが、それは確実にコストアップとなり利便性も低下します。
これは生産や物流の現状を見てもわかることで、平時であればなるべく集中し効率化したところがコスト競争でも勝つのですが、ひとたびそのどこかに障害が発生すれば全部が動かなくなります。
政府肝いりで言われている「経済の安全保障」でも同様でしょうが、さてその最適解というものが見つかるのかどうか。
「不経済」をある程度許容し、リスクを下げるということですが、よほどの覚悟と理論の応援が無ければできないでしょう。