爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「果物を食べると太る」と言うことは無い? 「栄養を科学するブログ」より

栄養疫学の研究者、村上健太郎さんと篠崎奈々さんが書いている、「栄養を科学するブログ」はなかなか興味深いことが次々と出てきますが、今度は「果物を食べると太る」わけではないということが紹介されていました。

kmnutri.com

 

果物には糖分が多いので食べ過ぎると太るということはよく言われているようで、私自身も太る体質なので気になり、あまり果物には手を出さないといったことになってしまいました。

 

しかしどうやら実際のところはちょっと違うようです。

 

なお、この項目については著者のお二人が実際に実験をしてみたということではなく、他の研究者の論文を多数参照してまとめられたもののようです。

 

すると、どうやら「果物を食べると太る」ということを実証できた論文報告はないようです。

糖分は確かに含まれているのですが、それ以上に水分が非常に多いために果物を多く食べると満腹感が強くなり他の食べ物を入れる余地が無くなるためのようです。

 

さらに、「果物を食べると糖尿病になる」こともなさそうです。

逆にある程度摂取した方が糖尿病になるリスクが減るという研究もありました。

ただし、その理由については果物に含まれる食物繊維のせいかとも推測されていますが、詳しくは分かっていないようです。

なお、大量に取るほどリスクが減るというわけではなく摂りすぎは逆になるのかも。

 

「果物をたっぷりと摂る」ということはかえって循環器疾患や発がんの危険性を減らすことになりそうです。

ただし、これも理由がまだはっきりとは解明されていないということで、食物繊維、ビタミンC、カリウム、その他の成分が効いているのだろうとは予測されていますがまだ分かりません。

また、「どの果物が一番効果的か」ということもはっきりしていないようです。

 

なお、食品摂取量の調査から見ると日本人の果物の摂取量は欧米人に比べるとかなり少ないようです。

ここから少なくとも言えることは「果物を食べると太る」などと言う思い込みで食べないというのは、日本人にとっては非常に損をしていることになるということでしょう。

意識的に食べる量を増やすということでも良いようです。

ただし、「100%ジュース」でも果物をそのまま食べるほどの効果はないようです。

 

こういった食品の摂取量と健康影響の調査と言うのは、文中にもありますが正確なことがなかなか分かりにくいもののようです。

通常の食生活で何を何グラム食べているかということは、普通の人には表現しづらいことのようで、アンケートを取っても正確な量などは分かりません。

それを何とかまとめていくのが難しい所なのでしょう。