人間が持ち込んだ「外来生物」が環境を破壊しているとして、その駆除に懸命に取り組んでいる方々も多いようです。
ここにあげられているものは、アライグマ、ブラックバス、セイタカアワダチソウ等々その問題がニュースで取り上げられることも多く、有名なものでしょう。
www.wwf.or.jpこのWWF(世界自然保護基金)に詳しく書かれていますが、「もともとその地域にいなかったのに、人間の活動によって意図的・非意図的に持ち込まれた生きもののこと」と定義され、「在来の自然環境や野生生物に深刻な悪影響を及ぼしています。」ということです。
しかし、これまでに読んだ本の中にもそういった一般常識に疑問を投げかけるものがありました。
生物の状態というものはそれほど固定的なものではなく、常に変化しており外から入り込んでバランスを変えるということは自然に起きているということでした。
しかし、明白に「それまで居なかった生物が入り込んで大量に増殖し、そこの環境を激変させ、多くの生物を死滅させている」例が今世界中に見られます。
第6回目の大量絶滅とも言われている、「人類による生物の大量絶滅」です。
まあ、上記の外来種についての説明でも「人間により持ち込まれたものを指す」とされていますので、「人類による絶滅」の一環ということなのでしょうが。
現生人類(ホモサピエンス)に限って言えば7万年より前にはアフリカ以外には存在しませんでした。
猿人・旧人まで広げても世界中に広がったのはせいぜい100万年といった期間でしょう。
つまり、それ以外の地域にとっては人間こそが「外来生物」ということです。
まさに、「それまで居なかった生物が入り込み大量に繁殖して環境を破壊している」というそのものの行為をしています。
日本列島を見れば、新人・旧人を含めてもせいぜい3万年以内、それ以上前に人類が居た形跡はありません。
それが今では列島内のどこにでも蔓延し周囲の環境を変え続けている。
このような生物が、他の生物を「外来種だから駆除する」などとよく言えたものだとは考えられないのでしょうか。
せいぜい、「外来生物同士仲良く環境を破壊しましょう」というのが正直な話でしょう。