我が家の新聞、熊本日日新聞の9月13日付けの1面に、経済ジャーナリストの荻原博子さんが、表題のように書かれています。
アベノミクスというもの自体、株価つり上げでしかなかったということをこのブログでも前から書いていますが、この荻原さんの記事も同様の趣旨でしかもデータを提示して分かり易く書かれています。
どうも、専門家が自分と同じことを書かれていると嬉しくてたまらず、またも紹介してしまおうという軽薄な性格が現れました。(つい先日も同じようなことを書きましたが)
この記事も、ネット上では見ることが難しいでしょうから、ポイントだけ引用してみます。
まず、現在の経済はほとんどすべての指標で大幅な落ち込みをしているということが示されます。
しかし、このような状況でも株価だけは好調に推移しています。
そこで、荻原さんは東証の投資部門別売買動向と言う情報を示します。
今年1月以降、外国人投資家は4.8兆円を売り越しています。
そして、それを大量に買い入れているのが日銀だということです。
日銀の同じ時期の買い入れ額は5.5兆円。
つまり、外国人が売り逃げしている日本株式市場を日銀がさらに上回る額で買い入れているわけです。
本来ならば下がっているはずの相場を日銀が買い支えているという図式です。
この結果、日銀の抱える株式は40兆円になるそうです。
そのため、すでにファーストリテーリング、TDK、ファミリーマートなど多くの企業で日銀が大株主となっているとか。
こういった日銀保有株は、もしも売るとなると相場が大暴落となるので売ることもできません。
さらに、日銀は日本国債も大量に買いまくり、すでに500兆円を越えました。
日本国債総額が1000兆と言われている中で、半分を日銀が持っています。
国債も株も日銀が大半を保有しているという状況は、歪んでいるとしか言えないようです。
自民党総裁選で、最有力の菅は「アベノミクスで株価が安定している」と胸を張りました。
そして「さらにアベノミクスを加速発展させていく」と言ったそうです。
それは「まだこの先も日銀に株価操作をやらせるということなのか」と荻原さんは主張しています。
最後は、「そのツケはたぶんアベノミクスの恩恵を受けていない庶民に回されるでしょう」と結んでいます。
いやはや、これまで私が感覚的に書いてきたことを極めて分かり易く簡潔に示していただけました。
それは嬉しいのですが、中身は嬉しいどころではなく大変な問題です。
日本の国自体が極めて危ういことになっているということです。
そして、これは荻原さんだけが知っていることではありません。
多くの経済専門家が認識はしているはずですが、ほとんどは一言も触れようとしません。
本当に大丈夫と思っているのか、腹の底まで腐れ切っているのか。どちらでしょう。