爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「間違いだらけの時代劇」名和弓雄著

正木流古武術宗家という名和さんの89年の著作ですが、その後亡くなられたようです。時代劇の時代考証も担当されたとのことですが、なかなか言うことを聞いてくれない様子だったようです。
時代劇の隆盛だった頃というと何時ごろになるのでしょうか。現在はNHK大河の他にはほとんど無い状況ですが、少し前には民放でも週数回ドラマが流れていたこともあった様に思います。
名和さんの対象としていたのもその頃のことかと思います。
大正から昭和戦前の時代にも映画の時代劇が非常に流行したことがあったようですが、時代考証無視の演出はその当時からかなり多くあったようです。
例えば、鎧兜を身に着けての戦場での戦闘では、刀で切り合うといってもほとんど致命傷どころか傷を負わせることもできず、刀が折れるばかりだったとのことです。
江戸期になってからの果し合いなどでも、数人に手傷を負わせるともはや刀は血糊でべったりとなり、ほとんど鉄棒と同様になってしまったようです。

戦場での抜刀したままでの持ち方というのが、「肩にかつぐ」というのが一番安全と言うのは目からうろこと言うにふさわしいものでした。