退職して暇なものだから昼間からテレビを良く見ていますが、そのスポンサーでもっとも良く目に付くのは健康食品会社です。
それもだいたい「いわゆる」付きのもので、CMもお客様個人の感想ですと言う言い訳ばかりが目立つものです。
著者は科学ジャーナリストの植田さんですが、この方は以前は日本子孫基金(現在は食品と暮らしの安全基金)にいらしたようです。これは過激なほどの消費者運動で有名なところですが、この本の内容に関してはそこまで突飛なものではなく、同感できるものが多いように感じます。
本書内でも扱われていますが、世界各国の健康食品に対する態度は大きく分かれており、アメリカはほとんど野放し状態、ヨーロッパは厳しく規制しています。日本はアメリカの影響でかなり緩くなっているようです。
特に問題と著者も紹介しているのは、医薬成分を隠れて含むもの、生薬として扱われていたもので成分が未知の物、以前は医薬品として扱われていたが食品となったもの、そして食品成分でありながら過度に濃縮されたものです。
この本は2005年の発行ですが、最近の傾向では最後の過度に濃縮しそれを「何十倍のパワー」などと売り文句にしているものがさらに増えているように感じます。過剰摂取の場合の害について情報が無いものが多いようです。
そのうちとんでもない事故が起こりかねない状況と考えられます。