爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

トランプ大統領のアメリカと日本の現状

実際にトランプが大統領選挙で当選という事態に至り、狼狽していると言える状態なのが日本の政府や経済界、マスコミです。

 

これまでの彼の言動からアメリカが保護主義に陥り、世界経済への悪影響を危ぶむと言ったところが大体の反応でしょうか。

business.nikkeibp.co.jp

(ただし、これはまだ選挙結果が出ていない時点での記事ですので、”仮になったら”としています。実際に当選してからの言葉が聞きたい)

 

ユニクロなどはまさに世界的自由貿易で羽ばたいてきた企業ですから柳井氏の心配も分かりますが。

 

他の日本のマスコミ反応も同様で、「保護主義の台頭を不安視」「グローバル経済への悪影響」といったものです。

そこには「グローバル化=正義、保護主義=悪」といった価値観のみが投影されています。

 

しかし、日本の現状を見てもとても「グローバル化=正義」などとは言えるものではないというのが真実でしょう。それで実利を得られるのはごく一部の大企業や金融資本、投資家です。

実利どころか、大きなる実害を被っているのが一般庶民、労働者、中小企業、年金生活者であるというのが実状でしょう。

 

それが、アメリカでも同様であったというのが「トランプ選挙」の結果であったということです。

アメリカでは長らく共和党民主党の実質二大政党制選挙を繰り広げてきましたが、程度の差はあれどちらも大企業と政府(ウォール街とワシントン)のための政治をするだけの存在でした。

それに遅ればせながら気付かされたのがトランプの言説によってのものであり、それを形に表したのが今回の大統領選挙であったのかもしれません。

 

ただし、当然ながらトランプにとっても難しいのはこれからです。

政権移行チームの顔ぶれを見ても家族の他数名と言った寂しいもので、共和党の経験豊富なメンバーの協力もあまり得られないようです。

これでまともな政府が作れるのかどうか、極めて怪しいものになりそうです。

 

選挙中の主張でも、労働者階級が虐げられていると言うのは勝手ですが、その加害者が本当はアメリカ国内のグローバル大企業や金融資本であるのにそれに気づかず(気がついていても故意に隠し?)自由貿易協定などで中国や日本など海外の企業に仕事を奪われているからと攻撃しています。

 

そのような認識ではいくら高額関税を復活し国内産業へ戻そうなどとしても何もできないのは明らかです。

攻撃する対象を間違えずに行えば、アメリカの労働者だけでなく世界の庶民階級をも利することができるのですが、それができそうな政権ではないでしょう。

結局は何も上手く行かずに不毛の4年間となるのが決まったようなトランプ政権になりそうです。

 

日本も対米従属の自民党政権でなければ、いくらでも実質利益が取れそうな対米外交ができそうなチャンスなのですが、安倍ちゃんではむりでしょう。

せいぜい、なんとかトランプとも「オトモダチ」になろうとして無理するだけのおバカ外交をするだけでしょう。