水産資源の状況について見るべき意見が多い、東京海洋大学の勝川俊雄さんのサイトで、フィリピンのドゥテルテ大統領が南シナ海の領有問題に妙手を出したと報じています。
ドゥテルテ大統領は訪中時の発言などは大々的に報じられたものの、その後は報道も少し沈静化してしまったようです。
しかし、そのやり方は見るべきものがあるようで、領有権で争われている南シナ海の海域を漁業の資源維持のためと称して禁漁区にするという提案を中国側に示しているそうです。
これはもちろん漁業資源維持などが主目的であるはずはなく、やはり領有権で中国側に付け入る隙きを与えないための方策であるようです。
実は東シナ海での日中間の争いで、同様の事態がありそこでは日本側も無策のまま漁業操業は双方制限せずに続けたために、漁業資源が減少していくと日本側の漁業者はコスト割れするために出漁しなくなったのに対し、中国側は燃料などを政府が補助するためにいつまでも操業を続け、結局は中国漁船ばかりが操業する地域となってしまったということがあったそうです。
そうなるといくら領有権は係争中であると言っても実質的に有利なのは中国側となります。
今回のドゥテルテ案はそれを抑えるとともに、魚類の産卵場を保護区とするなどいう協定も成立すれば中国側の狙いの「埋め立てて基地を作る」こともできなくなります。
今後の交渉がどのようになるのか、先行きはわかりませんが、この新フィリピン大統領は「暴言」だけではない曲者のようです。目が離せません。
もう一方の「暴言大統領」がどうなるかもわかりませんが。