再エネ(太陽光発電、風力発電)の発電量はすでに化石燃料火力発電を上回り(実際にはそう簡単な話ではないのですが)、人類のエネルギーはもはや再エネで大丈夫などと言うことを平気で書き散らす人もいます。(引用は避けます)
しかし、大きな事実をあえて無視しそういったことを言っている可能性があります。
それは「再エネは電気しか作れない」ということ、そして人類が利用しているエネルギーは電気以外がまだ相当な部分を占めているということです。
細かいデータを探すのも面倒なので、またもChatGPTに頼ってしまいました。(もうかなり頼り切りに近いか、危ない兆候かも。でも便利)
いいですね。
では次に、世界全体のエネルギー構成と再エネの位置づけを数値で整理してみましょう👇
(国際エネルギー機関 IEA「World Energy Balances」やBP統計、国連統計などを基に、2022〜2023年頃の最新データを要約したものです)
🌍 世界の最終エネルギー消費構成(部門別)
部門(最終用途) 世界シェア(概数) 主なエネルギー形態 電化率(電力の割合) 再エネによる置き換え可能性(現状) 産業部門 約 38 % 石炭・天然ガス・重油、高温熱、プロセス熱 約 20 %以下 難(電化困難分野多数) 民生部門(家庭+商業) 約 30 % 電力・バイオマス・ガス・灯油など 約 30〜40 % 一部可能(電化・再エネ化進行中) 輸送部門 約 28 % 石油製品(ガソリン・軽油・ジェット燃料など) 約 2〜3 % EV化は進むが、航空・船舶は困難 非エネルギー利用 約 4 % 原料用石油・ガス(化学・肥料など) ほぼゼロ 再エネでは代替困難(炭素原料) 👉 電力利用は全体の 約20%前後 にとどまり、残り80%は熱・燃料用途です。これは日本と同じ構造ですが、発展途上国では特に民生部門でバイオマス・化石燃料の直接燃焼が多く、電化率はさらに低い傾向があります。
⚡ 世界の一次エネルギー供給構成(2022年、概数)
エネルギー源 割合 備考 石油 約 31 % 主に輸送燃料 石炭 約 27 % 発電と産業用 天然ガス 約 23 % 発電・暖房・産業 原子力 約 4 % 主に先進国の発電 水力 約 6〜7 % ほぼ発電用 太陽光・風力・地熱など 約 5〜6 % 急成長中だが電力中心 👉 再エネ(太陽光+風力+水力など)をすべて合計しても、世界一次エネルギー供給の15%未満。
そのうちの大部分は水力発電であり、太陽光・風力はまだ全体の数%です。
🔥 世界の電力とエネルギーの関係
項目 世界エネルギー量 割合 世界一次エネルギー供給量 約 600 EJ(エクサジュール) 100 % 電力として最終消費される量 約 120 EJ 約 20 % 再エネ発電(太陽光+風力+水力など) 約 30 EJ 全体の 5 % 前後 👉 再エネ発電は成長しているとはいえ、世界全体の最終エネルギー需要のわずか数%しかカバーしていません。
つまり「再エネで人類のエネルギー問題が解決した」と言うのは、現実には一次エネルギーの95%近くが依然として化石燃料+原子力で支えられているという事実を無視した言説といえます。
📝 まとめ表(世界ベース)
分野 現状の再エネによるカバー率 代替の難易度 コメント 発電(電力) 30%弱(うち再エネ約15%、残り火力・原子力) 中 太陽光・風力は急伸だが系統・蓄電の制約大 民生部門(熱) 再エネは一部(バイオ+電化) 中〜難 都市ガス・灯油・薪などが多い 産業高温熱 ごく一部(バイオ+電化) 難 製鉄・化学など根本的な技術転換が必要 輸送燃料 ほぼゼロ(バイオ+EVが数%) 難 EV以外は代替技術が未成熟 原料利用 ゼロ 難 炭素原料として不可欠な部分が多い
📌 論点の整理
再エネの拡大は「電力」分野に集中しており、世界の最終エネルギーの 約8割を占める熱・燃料分野では未だに代替が進んでいない。
航空・製鉄・化学・長距離輸送など、「電化が技術的・経済的に難しい」分野が大きなハードル。
このギャップを埋めるには、膨大な再エネ設備と蓄電・水素・合成燃料などの間接利用技術が必要だが、それらは効率が低く、膨大な追加エネルギーとインフラ転換が求められる。
つまり、再エネは人類のエネルギー問題の「一部の解決策」であって、全体解決にはまだ程遠いというのが、世界レベルでの実情です。
ご希望があれば、
🌞 世界の「再エネだけで現在の最終エネルギーを賄う」ために必要な発電容量や土地面積の概算
🚢 分野別に「電化・水素・合成燃料」で代替した場合のエネルギー損失比較図(例:e-fuel効率チェーン)
なども作成できますが、どちらを見てみたいですか?
このように、現在(といっても2022年のデータですが)の世界のエネルギーの総量のうち、電力というのは20%に過ぎないということです。
そしてその中でも再エネと見なされるものはごくわずか、それも水力がほとんどというのが実情です。
このような状況でよく「もう再エネで大丈夫」などと言えるものとあきれますが。
「再エネは電力だけ」というのは、特に産業分野では欠点となり、熱源としての利用が困難というのが理由となります。
化石燃料は燃やせばすぐに熱源ですが、電力で熱源とするのは非効率です。
さらに、輸送燃料としてもEVは相当延びているとも言われますが、それは小型車だけの話であり、大型車、飛行機、船などではほとんど利用不可能です。
さらにさらに、炭素原料としての役割が化石燃料では非常に重要であり、プラスチックの原料などいくら電力があってもどうしようもなく、石油や天然ガスの存在が不可避です。
日本はそれでも比較的エネルギーの電力化が進んでいる方だということですが、アジアアフリカなどでは化石燃料直接燃焼といった使い方もまだまだ多く、電力化も低い段階です。
日本でもエネルギー政策の考慮の際に電力の供給体制が問われますが、それはあくまでも電力の話だけであり、その他のエネルギーについては全く話に上らないようになっているということを忘れてはいけません。
電力を再エネ化するという動きがいくら進んでも、エネルギー全体を電力化するという方向にはなかなか進めることは困難です。
本来ならばすべてのエネルギーを電力にするという方策を考えることから始めなければならないのですが、その困難は明らかですのでおそらくそれを無視しているのでしょう。