爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

改正戸籍法来年5月施行、漢字に読み仮名で混乱は必至。

戸籍の漢字に読み仮名を付けるという、改正戸籍法が来年5月から施行されるというニュースです。

news.yahoo.co.jpあくまでも戸籍のコンピュータ化に必要ということばかりが見えており、人の名前はどうあるべきか、日本の漢字の読み方はどうするかといった文化的な側面には全く留意されていないと感じます。

 

「漢字本来の読み方と異なる”キラキラネーム”」対策として、

漢字本来の読み方と異なる「キラキラネーム」を念頭に、基準を「氏名に用いる文字の読み方として一般に認められているもの」とした。

などとしていますが、これが効力を発揮するとはとても思えません。

 

だいたい、「誰がそれを判断する」のでしょうか。

役所の戸籍係にやらせるのでしょうか。

とてもそんな判断ができるとは思えません。

どうせ「判定マニュアル」のようなものを作ってそれに従わせる程度でしょう。

だいたい、自ら漢字に対する信念を持って、迫りくる馬鹿親どもの攻撃を退けるような担当者などほとんどいるはずもありません。

ネット情報か何かを示されると反論もできず、唯々諾々と受け付けるといったことになりそうです。

 

これまでであれば、戸籍には読み仮名がなかったため、勝手なキラキラネーム(ちょっとこの言葉も困ったものですが)を名乗っても、「そんな読み方は日本語にはない」と突っぱねる余地があったのですが、もしも戸籍に受け付けられるようなことになると、それを根拠に大手を振って名乗られることになります。

そんな名前を付ける親に最大の責任はありますが、どうやら役所も「日本語破壊」に加担することになりそうです。

 

報道によれば、サンプルとして、常識に反する読み方をさせるとして「太郎」と書いて「じろう」と読ませるなどと言う例を挙げていますが、本当の問題はそんなところにはありません。

「訓読み」「音読み」の原則を無視し、踏みにじる行為が最も悪質だと思います。

言うまでも無く、中国から伝わった当時の読み方を日本風に取り入れたのが「音読み」、そしてその漢字の意味をあてはめたのが「訓読み」です。

そのどちらも一文字でも崩せば意味を失います。

 

それにしても、こういった混乱が起こること必至であるにもかかわらず、法改正強行というのも困ったものです。

おそらく、それでどのような事態が発生するかということを考える想像力というものが欠如しているのが官僚という連中なのでしょう。

これはあのマイナカード健康保険証化を強行しようとする態度とそっくりです。

ああいったことも不安、こういったことも困るといった訴えがあっても、それをまともに考えることすらできない。

(大臣はおそらく官僚の言いなりなのでしょうが)

その程度の能力で国全体を動かすようなつもりになってもらっては困ります。