熊本県知事の木村氏は蒲島前知事の後をついで就任しましたが、発言の端々に変な体質が見え隠れしているようです。
この前の水俣病患者団体の環境大臣懇談の際のマイクカット事件でも県知事としてはっきりと問題を認識できていないかのような態度でしたが、今回は「高校普通科などいらない」発言です。
news.ntv.co.jp熊本県は半導体企業の進出もあり、人材不足が特に問題となっています。
中でも建築・土木技術者や介護職などで顕著ですが、求職側からは事務職希望が相変わらず多いとして、「一般事務職などAI化でいらなくなる」との発言、さらに「高校も普通科などいらない」という発言に進んでいった模様です。
県知事という重要なポストの人間の言葉としてはあまりにも乱暴でその影響を全く考えていないのが明らかに分かります。
高校段階ですでに専門課程に分けて職業教育をする方が良いとでも言うのでしょうか。
木村知事は東京都出身、東京大学法学部卒業後自治省(現総務省)入省、その後鳥取県、熊本県に出向し最後は熊本県副知事、今年の県知事選で熊本県知事に当選という経歴です。
まあだからというのでもないですが、下々の事情などには通じていないのかも。
なお、一緒にするのかと言われそうですが、あの兵庫県の斎藤知事も東大出身、総務省入省、地方自治体出向という、似たような経歴です。
とはいえ、放っても置けません。まあ私は知事選では投票は別の候補者にしましたが。
まず「一般事務職は徐々に不要となる」のはそうかもしれません。
しかしそうなっても必要となるのは総合的な判断を職務とする職であり、その養成は職能教育高校ではありません。
それとも「総合職養成高校」も作ろうというのでしょうか。
高校普通科というのはそういった人員養成の準備段階を担うともいえるものです。
その先は大学教育につながるのですが、大学で職業教育ができるのかどうかは分かりません。
なお、木村知事の出身高校はどこは明記されていませんが、間違いなく受験専門の普通科高校であるはずで、そこを出身後東京大学入学、法学部卒業したはずです。
高校でも工業、農業、商業等の実業系の高校というものは新制高校制度開始後速やかに作られ、多くの卒業生を輩出していますが、最近では生徒数減少に陥っています。
商業高校は就職先自体の減少、工業高校は職務内容の高度化で高校卒業程度では対応が難しくなっていることなどが原因の一つでしょう。
これをてこ入れしたところで、そう簡単には現状に追いつきません。
このような教育制度、特に高校教育、大学教育のあるべき姿、改善点等々の問題点が非常に大きい中、中途半端な姿勢で意味のない発言をするというのは知事としてどうでしょう。