題名だけ見てもなんだかわからないと思います。
実に壮大な心理SF大作で、映画化されれば大ヒットもという・わけないか。
なお、この夢の筋を見て面白いと思って小説化、映画化しても構いません。
金銭的権利は主張しませんが、表紙の片隅にでも「オリジナルアイデア:爽風上々」とでも入れてもらえれば十分です。
夢を見るときには寝床で眠りにつき、夢の中では世界中、宇宙中を駆け回ることがあっても、目が覚める時は元通りの布団の中ということになります。
それがそうではないというのが夢の大筋です。
私は「夢間心理官」という政府機関のポストについています。
「夢間心理戦」を挑んでくる反政府組織を取り締まるのが役目で数十人の部下を率いて夢から夢へ飛び回ります。
その心理戦というのは何か。
実は「夢の中ではどこにでも行ける」ということを拡大してしまった男がいたのでした。
アメリカ人のアーサー・トリム、彼も眠りに入る時は普通なのですが、その中で夢を見るとその場所に実体ごと移行することができるという能力を身に着けていたのです。
つまり、寝床に入って夢を見て、その中でラスベガスのカジノで大当たりをするところを夢見て、「ここに現れる」と念じると寝床の中にあった自分の身体が夢の舞台のラスベガスに移動してしまう。そういった能力だったのです。
しかもそこの登場人物もちょうど眠って夢を見ているとさらにその現象が強まります。
これの何が問題か。
カジノ程度であれば勝手に移動すればよいでしょうで済むのですが、それがハリウッド大女優、各国王家の王女の寝室などに一瞬で現れられると困ったことになります。
それだけならまだ可愛いもの、もしも世界の名だたる独裁者たち(R国のP、K国のK、A国のT)がたまたま眠りに落ちた時であるとその場に出現できることになります。
しかもその眠った魂同士の反発力はものすごく、相手を一瞬にして吹き飛ばすほどです。
つまり、簡単に独裁者の暗殺が可能となるということです。
しかも夢から覚める場所を別にしておけば捕まることもありません。
このような大変な能力のアーサーですが、実は他にもそういった能力を持った人間たちがいました。
それが私。
さらに仲間を選抜し、一緒に眠って夢を同時に見ることで力も倍増。
強力なアーサーの夢間動力に一人では敵わなくても力を合わせて立ち向かいます。
その時点で世界中の誰が夢を見ているか、それも一瞬で見渡せなければなりません。
その場面の映像がすざましい。
灰色の人体像が夢を見ている時だけピンクに変わります。そういった人体像がそれこそ数百万、数千万並んでいる中で、アーサー一味が暗躍するところを探し出します。
戦いはまだまだ続く、というところなんですが。
しかし、考え直してみればほとんど劇的な場面はないですね。
ベッドで悪役が寝ている、こちら側では正義の味方も寝ている。
それが夢の中でだけ飛び回っている。
これをどうやって劇にしていくか。
かなり難しそうです。